そろそろ「iPhone 16」に買い替えるべき? 古いiPhone、世代ごとの違いを解説

AI要約

最新のiPhoneに買い替えるべきかどうか悩む人は多い。

従来モデルと新モデルの比較や進化ポイントを解説した表も提供されている。

基本的にはiPhone 11以前のモデルの買い替えが推奨されており、Apple Intelligenceや48MP Fusionカメラ、USB-C対応など新機能が見どころ。

Apple Intelligenceの機能や導入時期、メインカメラの進化、アクションボタンやカメラコントロール、USB-C対応、Wi-Fiや衛星通信の重要性、デザイン変更の地味ながら重要なポイントを考慮することが重要。

使用状況やニーズに合わせて買い替えのタイミングを見極める必要があり、機能やデザインの変化を理解して判断することが大切。

そろそろ「iPhone 16」に買い替えるべき? 古いiPhone、世代ごとの違いを解説

 今年も9月に新しいiPhoneが登場する。毎年、この時期に「新しいiPhoneに買い替えるべきか」で悩む人は少なくないだろう。

 ここ数年のiPhoneは、デザインも機能も完成度が高まり、1世代ごとの差はそこまで大きくない。しかし小さな変化でも3世代・4世代と積み重なれば大きな変化となる。そこそこ古いモデルからの買い替えを検討するとなると、積み重なった変化を俯瞰して眺める必要がある。

 本稿ではiPhoneの従来モデルと新モデルを比較し、買い替えるとどのような変化があるかを解説する。

 筆者が独断でピックアップした、「iPhone 11以降の各世代のiPhoneが前世代からどう進化したか」をまとめた表図も用意した。細かい変化は記載していないが、顕著な変化は筆者の独断で赤字にしている。

 ついでに表内には各モデルが搭載しているチップセットと筆者が以前、実施したベンチマークテストによるシステムメモリ容量とGPUスコアを青字で記載している(iPhone 16シリーズはテスト未実施)。

■ 基本性能的にiPhone 11以前のモデルは買い替え推奨

 2024年9月17日にリリースされる最新のiOS 18は、iPhone XS/XRおよびiPhone SE(第2世代)以降が対応する。まず、このiOS 18に対応しないiPhone X/8以前のモデルは、買い替えが強く推奨される。

 iPhone X/8が対応するiOS 16やiPhone 6sから対応するiOS 15もまだセキュリティアップデートは提供されているが、最新アプリの互換性や利便性などの面から、今後の継続使用はあまりオススメできない。

 iOS 18対応モデルの中では、2019年発売のiPhone 11以前のモデルは、買い替え推奨だ。まず5G非対応というのは、いまどきちょっとキツい。プロセッサのパワー的にも重たく感じる場面が多いと思うので、そういった意味でも買い替え推奨だ。

 iPhone 12以降のモデルとなると、5GやMagSafeに対応し、現行モデルに通じるデザインを採用するなど、いまでも通用する面が多い。このあたりからの買い替えの見極めは、使い方次第の面もある。

 まず、iPhone 12シリーズが搭載するA14 Bionicは、例えばGPU性能だと最新世代の半分程度なので、いろいろなアプリをバリバリに使おうとなると、ちょっとパワー不足を感じる場面が多いかも知れない。そのあたりにストレスを感じることが多いなら、買い替えタイミングだ。逆にストレスを感じないなら、もうちょっと使い続けても良いかもしれない。

 iPhone 13/13 miniは、搭載するA15 Bionicの性能自体は悪くないのだが、システムメモリ容量が4GBなので、マルチタスク処理や機械学習処理でストレスを感じることがあるかも知れない。やはりストレスが大きくなってきたら買い替えタイミングだ。

 しかしiPhone 13 miniは最後のminiモデルなので、軽さ・小ささを重視するなら、まだ使い続けるべきだろう。後継となるコンパクトモデルが出る希望は薄いが、将来、iPhone SEシリーズが続くのなら、コンパクトさを維持しつつ高機能化する可能性はゼロではない。

 それ以降のモデルとなると、性能的にはまだまだ現役と言える。大きなストレスがなく、ここから解説する新モデルの進化ポイントに魅力を感じないなら、買い替える必要性は低いだろう。

■ 買い替えのカギのひとつは「Apple Intelligence」

 iOS 18では生成AIを応用したアシスタント機能「Apple Intelligence」が追加される。Apple Intelligenceがどんな機能かは、過去のニュース記事やアップル公式が出している動画などを参照して欲しい。

 Apple Intelligenceはクラウドに加えて、オンデバイスでも処理される。つまりiPhone内蔵プロセッサでの処理負担が大きいため、iPhone 16シリーズは全モデルが対応するが、従来モデルではiPhone 15 Pro/15 Pro Maxしか対応しない。

 Apple IntelligenceのためにiPhoneを買い替えるか、これが大きなキーポイントとなるのだが、どんな機能が使えてどんな使い勝手なのか、現行では情報が少なく、判断しづらい。

 使えるようになる時期も問題だ。Apple Intelligenceの日本語対応は2025年とアナウンスされているが、2025年の前半なのか後半なのかもわからない。たとえばちょっと早めで来年の春ごろに日本語対応するとしても、そこからさらに半年間ほど経てば、もう秋だ。次のiPhone、いわば“iPhone 17”と呼ぶべきモデルの登場時期になるかもしれない。

 また、リリース初期は機能が少なかったり精度が未熟だったりすることも予想されるので、あえて2025年のiPhoneとiOSで「Apple Intelligence」がより洗練されることを期待しても待つのも良いと思う。未来のことがどうなるかなんてわからないので、待つことは「賭け」ではあるが、選択肢として考慮したい「賭け」でもある。

■ メインカメラの48MP Fusion化が大きな進化

 古いモデルと比較してのカメラ周りでの進化としては、iPhone 14 ProやiPhone 15でメインカメラに採用された48MPのFusionカメラが、進化の度合いとして大きなものとなる。

 48MPのFusionカメラは、全画素を使って解像感を高めるだけでなく、4つのピクセルを統合して感度も高めていて、その両立のためか、デフォルト設定では24MPで保存される。設定を変更しても12MPにしか切り替えできず、48MPで保存できるのはProモデルのRAW撮影時のみだ。とはいえ、24MPでも12MPでも画質は非常に良く、どんな場面で撮っても自然に記録してくれるし、解像感不足を感じることもない。

 48MP Fusionカメラでは2倍のデジタルズームで画質劣化しにくいのも重要ポイントだ。iPhoneのメインカメラの画角は、換算焦点距離で25mm前後のいわゆる広角レンズで、2倍にすると50mm前後となる。伝統的に標準レンズとも呼ばれる画角で、背景を強調せず、人物やモノを主題にして撮るのに最適な画角でもある。そこが使いやすいのは嬉しいポイントだ。

 一方、望遠レンズは引き続きProモデル限定となるが、iPhone 15 Pro Maxだけが搭載していた5倍ズーム(120mm相当)は、iPhone 16世代では大小両方、つまり、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxに搭載される。5倍ズームは欲しいけど大きなスマホは苦手、というニーズに対応できるようになった。

 120mmの画角は、肉眼では見にくい遠くのものを撮るためのものだ。使わない人は使わない画角だが、スポーツやステージなど、近くに寄れない被写体を撮ることが多いなら、5倍ズーム目当てにiPhone 16 Proを選ぶのもアリだろう。

■ アクションボタンとカメラコントロールは使いこなせば便利そうだけど……

 iPhone 15 ProとiPhone 16シリーズは、スライドスイッチに代わってアクションボタンを搭載する。好きな機能を割り当てられる専用のボタンだ。旧来のスライドスイッチに割り当てられていた消音切替を割り当てることもできるし、アプリやフラッシュライトなど、ぜんぜん関係ない機能を割り当てることも可能だ。

 カメラコントロールはiPhone 16シリーズで新規搭載される、カメラ関連専用のボタンだ。正確にはメカニカルなボタンではなく、触覚フィードバック付きのタッチセンサのようで、タップやスワイプなどで操作するようだ。カメラを即起動できるほか、ズームや絞りなどカメラ設定をコントロールしたりできる。

 カメラコントロールのためだけでiPhone 16に買い替えるほどの価値はないと思うが、カメラを多用する人にとっては嬉しい機能となるだろう。

■ USB-C対応は小さくないけどMagSafeなら関係なし

 iPhone 15シリーズからはLightningの代わりにUSB-Cを採用する。これまで使っていたLightningケーブルは買い直しとなるが、ストレージやマイク、充電機能付きハブなどといった汎用のUSB周辺機器をiPhoneで使いやすくなるのは、業務などで応用的な使い方をしている人には嬉しいポイントだ。

 ただし充電だけなら、LightningでもUSB-CでもなくMagSafeを使う方がイイ。ケーブルの損耗も防げるし、MagSafe充電スタンドなら「充電せずにデスク上に置いてるだけの時間」を減らせるし、MagSafe対応モバイルバッテリならケーブル自体を持ち歩く必要もない。

 今年もiPhoneを買い替えず、Lightning搭載モデルを使い続けるなら、積極的にMagSafe充電環境を導入しておくと、利便性が向上するだけでなく、将来的にUSB-Cモデルに買い替えたあとでも使い続けられるのでオススメである。

■ Wi-Fiは既存モデルも性能十分。衛星通信は一部の人には超重要機能

 通信機能関連では、iPhone 12シリーズの5G対応がもっとも大きな進化だが、ほかにも細かくいろいろ進化している。

 最新のiPhone 16シリーズでは、Wi-Fi 7に対応している。ただしWi-Fi 7の速度を生かし切るには、対応するスペックのアクセスポイントとブロードバンド回線が必要だし、その通信速度を発揮できるオンラインサービスもめったにないので、正直、そこまでのメリットはない。とはいえ、低遅延や安定性も向上しているので、対応しているに越したことはない。

 ちなみに既存モデルはというと、Wi-Fi 6EはiPhone 15 Proだけが対応し、ほかはWi-Fi 6対応だ。しかしWi-Fi 6だって規格上は9.6Gbpsとかなので、実のところ不便のない速度だったりはする。

 あとは衛星経由での緊急通信機能、こちらはiPhone 14シリーズから搭載されていながら国内で使えない状態が続いていたが、2024年夏から日本でも利用できるようになった。場合によっては命に関わる機能でもあるので、山登りをする人、船舶に乗る人、山間部での活動が多い人は、この機能だけを理由に買い替えるのもオススメだ。

■ デザインの変更も地味ながら無視できないポイント

 デザインの変化は、iPhoneでできることや使い勝手に大きな差が出るわけではないが、しかし小さからざる変化でもある。

 まずiPhone 14 ProとiPhone 15から、フロントカメラ部分が「半島型」から「孤島型」のDynamic Islandになった。表示面積などにおいては、iPhone 13シリーズで小型化された「半島型」と大差はないが、バックグラウンド動作などのインジケーターがグラフィカルになっているのは地味ながら便利だ。

 iPhone 15シリーズから形状が少しだけ変更され、前後のR面取りが強めになった(角が取れた)点は、好みもあるところだが、筆者個人としては手に馴染みやすくなったので良い進化だと評価している。

 iPhone 15 Proからのチタニウム筐体も、質感や見た目、手触りともに個人的には良いと思う。iPhone 14 Proまでのステンレススチール筐体は、光沢の見栄えは良いのだが、指紋は残りやすいし角張っていて手に馴染みにくいし重たいしで、チタニウムになって良かった、とも思うところだ。

 miniモデルを使っていて、「最近の大きめのスマホは苦手」と感じる人は、選べるモデルがないのは悲しいところだ。とはいえ、iPhone 13 miniが140gに対してiPhone 16は170gと、6.1インチモデルとしてはiPhone 12(162g)に次ぐ軽さとなっている。さらに上記のデザイン変更で手に馴染みやすくなっているので、最初からナシと決めつけず、店頭などでサイズを確認して欲しい。