南海トラフ地震臨時情報 諏訪地方にじむ不安 防災用品買い求めの動きも 長野県

AI要約

南海トラフ地震の臨時情報により長野県諏訪地方では防災意識が高まり、飲料水や食料などの備蓄品を求める市民が増加。一部店舗では飲料水の欠品や防災用品の売れ行きが好調に。

市民は不安をにじませつつも、必要な準備に追われる中、適切な対策がとれるか悩む声も上がっている。

需要に応じて防災特設コーナーを設けるなど買い求めやすくする取り組みが行われ、市民の防災意識の高まりが感じられる。

南海トラフ地震臨時情報 諏訪地方にじむ不安 防災用品買い求めの動きも 長野県

南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」発表を受け、長野県の諏訪地方では、市民が飲料水や食料などの備蓄品や防災用品を買い求める動きも見られる。9日には諏訪市内の大型店で飲料水の商品が一時的に欠品し、いくつかの店を買い回る姿もあった。市民からは「すごく怖い」、「急がなくてはと思うが、何をどう準備したらいいのやら…」との声が聞かれ、不安をにじませている。

同市上川3の綿半スーパーセンター諏訪店では、臨時情報が発表された8日夜から来店客が平時より2、3割増えた。例年、この時期は飲料水の扱い量を増やしているが、9日午前中で棚は空っぽに。一人で10ケースほどをまとめ買いする人もいたという。

缶詰や非常用食品、トイレットペーパーなども売れ、ポリタンクを買い求める人も相次いだ。10代の女性客は「経験のない状況で不安。水が買えなかったので他店に探しに行く。弟のために離乳食も備えなくては」と話し、50代の主婦は「防災用品を使ったことがなく、いざという時に扱えるか不安。軟弱地盤の諏訪はきっと被害が大きい。発災時に避難所へ行くべきか、自宅にとどまるのが良いのかさえ迷う」と困り顔を見せた。

井上雅也同店シニアストアーマネージャーは「国内で災害が発生するごとに防災用品の需要が高まるが、今回はお客さんの動きがより活発」とし、商品補充を急ぎながら「需要に応じて防災特設コーナーを置くなど買い求めやすくしたい。過度に慌てずしっかり準備をしてもらえたら」と話している。

防災設備、用具を扱う飯田機械ポンプ(諏訪市)でも個人や地区役員から簡易トイレ用のテントや非常食を求める注文が寄せられ、「市民の防災意識の高まりを感じる」(同社)という。