上司「いいんじゃないの」承諾と思い給与水増し 横領に問われた70代女性無罪 那覇地裁判決

AI要約

会社内で給与を水増しして横領したとして無罪判決が言い渡された70代女性の判決公判が開かれた。

女性は上司の了解を得たと信じ込んで昇給手続きを行ったが、検察側は社長の了解を得ておらず、懲役1年6月を求刑していた。

裁判官は女性の状況を考慮し、捜査段階での供述の軽率さを指摘し、無罪を言い渡した。

上司「いいんじゃないの」承諾と思い給与水増し 横領に問われた70代女性無罪 那覇地裁判決

 給与を水増しして横領したとして業務上横領罪に問われた70代女性の判決公判が12日、那覇地裁であり、加藤貴裁判官は「会社内で正当な手続きを経たと認識し、行為に及んだ可能性が否定できない」として無罪を言い渡した。

 判決によると、本島南部の会社で経理業務を担当していた女性は2017年、4割増しの給与を自身の口座に振り込んだ。上司に昇給を相談したところ「いいんじゃないの」と言われ、承諾を得たと思い込んだ、として無罪を主張した。

 検察側は女性が昇給決定権を持つ社長の了解を得ておらず、捜査段階の在宅の調べにも「断りなく昇給手続きをした」と供述したと指摘。懲役1年6月を求刑していた。

 加藤裁判官は、「(捜査機関に)言い分を素直に受け入れてもらえないことが続き、早期に手続きを終えたいが故に、深く考えず供述調書に署名押印したとする点はあり得そうな経過」と判断した。

 無罪判決を受け、弁護人は「主張が認められてほっとしている」とコメントした。