天皇の「ひじつき」 正倉院宝物「紫地鳳形錦御軾」を再現/奈良
正倉院宝物のひとつで、聖武天皇が使用していた「ひじつき」が再現された。
紫地鳳形錦御軾は、聖武天皇の大切な品で、国家珍宝帳に記載されている。鳳凰を囲んだ豊かな文様が施されている。
X線CT画像を基に再現され、宝物の構造を忠実に再現している。
正倉院宝物のひとつで聖武天皇が使用していたとされる「ひじつき」が再現されました。
紫地鳳形錦御軾(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)は聖武天皇が大切にしていた品を東大寺の廬舎那仏に納めた際の目録「国家珍宝帳」に記載があります。御軾はひじつきのことで、表の絹織物には翼を広げた鳳凰を葡萄唐草文で丸く囲んだ国際性豊かな文様が施されています。
再現にあたり芯材の素材や構成はX線CT画像などを基に決定され、筵を麻糸で束ねて畳表で巻いて芯材を作り、中央をくり抜いて真綿を詰めました。
正倉院事務所は実用性のある宝物の構造を忠実に再現したとしています。
宮内庁正倉院事務所 田中陽子 整理室長
「奈良国立博物館で展示されますので1300年前の品と再現された品とを見比べて楽しんでいただけたらと思います。」
紫地鳳形錦御軾と模造品は10月26日から奈良国立博物館で開かれる正倉院展で展示されます。