装い新た、愛好者続々 「まるごと奈良博」後期展スタート

AI要約

奈良国立博物館展「まるごと奈良博」後期展が始まり、名品70点近くが入れ替えられた会場には熱気が広がっている。

後期展では国宝4点、重要文化財54点を含む137点が展示され、谷口出副館長が作品解説を行うなど多彩な展示内容となっている。

観覧者からは実物の魅力に感動する声が上がり、展示作品の多様性が高く評価されている。

装い新た、愛好者続々 「まるごと奈良博」後期展スタート

  ●県美副館長が解説 名品70点入れ替え

 奈良国立博物館展「まるごと奈良博」は31日、金沢市の石川県立美術館で後期展がスタートした。「仏教美術の殿堂」が誇る名品70点近くが入れ替えられ、装いを新たにした会場には開館直後から県内外の愛好者が続々と来場。前期展に勝るとも劣らない熱気に包まれた。

  ●1、2日も解説実施

 後期展は国宝4点、重要文化財54点を含む137点が並び、新たに国宝「辟邪絵(へきじゃえ)」などがお目見えした。

 県立美術館の谷口出副館長が作品解説を行い、菩薩(ぼさつ)像と如来(にょらい)像の違いや、前後期に2枚ずつ展示される国宝「牛皮華鬘(ごひけまん)」など主な作品について説明した。後期展では一部で照明を明るくし、見せ方を変えた作品があることも紹介した。1、2日も午後3時半から解説を行う。

 早大文学部4年の植田南泉(みなみ)さん(21)は、卒論の題材である重要文化財「両界曼荼羅(りょうがいまんだら)・俱利迦羅龍剣二童子像(くりからりゅうけんにどうじぞう)」が後期展から飾られると聞いて東京から足を運んだ。「実物は図録と全然違う。炎の表現が面白い」と笑顔を見せた。

 この日は白山市笠間コミュニティセンターの28人が団体鑑賞し、北田雅人(はると)センター長(69)は「歴史を感じて圧倒される」と話した。岐阜県から高山市東山中美術部24人も訪れ、3年の西本幸さんは「顔や服のしわまで表現していてすごい」と仏像に目を凝らした。能美市学校教育研究会図工美術部会も来場した。

 前期展から実施している「私が好きなほとけさま投票 推し仏総選挙」の中間順位の発表会も開かれた。1位は「伽藍神立像(がらんしんりゅうぞう)」、2位は「南無仏太子立像(なむぶつたいしりゅうぞう)」、3位は「愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう)」と発表されると、会場から拍手が起こった。

 まるごと奈良博は「ポスト国民文化祭」の目玉事業で、県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催する。

 25日まで。開館時間は午前9時半~午後6時。18日までの金~日曜は開館時間を拡大する。