がん可能性、指摘されるも主治医見落とす 約1年後、転移した状態で見つかる 兵庫県立がんセンター謝罪

AI要約

明石市の兵庫県立がんセンターで、男性患者にがんの可能性を指摘したが見過ごされ、約1年後に進行したがんが見つかった。県は謝罪し、賠償することを決定。

80代の男性患者が肺がんの可能性を指摘されたが、主治医の見落としで放置され、最終的にがんが見つかり、ステージ3と診断される。男性は現在化学療法を受けている。

兵庫県はこの医療事故に対し謝罪し、安全な医療の提供を目指して医療安全対策を強化し再発防止に取り組むとコメント。

がん可能性、指摘されるも主治医見落とす 約1年後、転移した状態で見つかる 兵庫県立がんセンター謝罪

 兵庫県立がんセンターで、男性患者にがんがある可能性を読影医が指摘したにも関わらず、主治医が見落とし、約1年後に、進行した状態でがんが見つかったことがわかりました。

 県は謝罪し、男性に賠償する方針です。

 兵庫県によりますと、2022年12月、明石市にある県立がんセンターで、市内に住む80代の男性患者が膵臓の周囲などに液体がたまる「膵のう胞」の経過観察のためMRI定期検査を受け、画像診断した読影医が、肺にがんの可能性のある影を見つけました。

 読影医は、報告書にCT検査などを行うよう記載していましたが、当時の主治医が記載を見落とし、放置していたということです。

 その後、2023年12月に行った膵のう胞の定期検査で、しこりが大きくなっていることが判明。

 今年に入ってCT検査で、患者の肺腺がんが見つかり、リンパ節への転移も発覚したということです。がんはステージ3と診断され、男性患者は化学療法を行っています。

 この医療事故を受けて病院は男性患者に謝罪をしていて、今後賠償を行う方針だということです。

 兵庫県は、「安全な医療の提供に努める中で、このような事案が発生したことについて、大変申し訳なく思っております。安心できる県立病院の実現のため、今後より一層、医療安全対策の取組みを進め、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。