みこしの海上渡御14年ぶり 福島県いわき市小浜町の3神社祭礼

AI要約

福島県いわき市小浜町で14日に愛宕神社、那智神社、津神社の祭礼が催され、14年ぶりにみこしの海上渡御が行われた。

祭礼の中で、130年以上前に作られたみこしの修繕が行われ、地元の伝統行事を継続するために地域住民が協力し約800万円を積み立てた。

小浜海岸では、神事の後に若衆がかけ声をあげながら海に入り、多くの住民が笑顔で渡御を待ちわびた。

みこしの海上渡御14年ぶり 福島県いわき市小浜町の3神社祭礼

 福島県いわき市小浜町で14日、愛宕神社、那智神社、津神社の祭礼が催され、14年ぶりにみこしの海上渡御が行われた。

 祭礼は五穀豊穣(ほうじょう)や大漁、家内安全などを祈願する行事。130年以上前に作られたみこしの経年劣化が進んでいたのに加え、小浜町は東日本大震災の津波で大きな被害を受け、避難のため住民が離ればなれになるなどしたため、2010(平成22)年を最後に行われていなかった。

 それでも地元の伝統行事を絶やすまいと、地域住民が近隣の企業の協力を得ながら10年間で約800万円を積み立て、みこしや神殿などを修繕した。

 みこしは笛や太鼓のおはやしの音と共に愛宕神社を出発すると、2神社を巡り小浜海岸に到着。神事の後に若衆がみこしを担いで海に入り「わっしょい、わっしょい」と威勢のいいかけ声を張り上げていた。砂浜には久しぶりの渡御を待ちわびた多くの住民が駆けつけ、笑顔で見守っていた。

 小浜町行政区の鈴木清美区長(68)は「感無量で涙の出る思い。地域の伝統を継承していきたい」と語った。