ひみ番屋街、輪島塗応援 「がんばろう能登」購入続々 復興市始まる

AI要約

氷見市の観光施設「ひみ番屋街」で能登復興応援イベント「輪島番屋市」が始まり、輪島塗が格安で販売される。

高岡市早川の大野博和さんなど多くの人々が輪島塗を購入し、応援の輪が広がる。

イベントは輪島商工会議所漆器部会長の大藤孝一さんの呼びかけで実現し、売り上げは職人の道具購入に充てられる。

ひみ番屋街、輪島塗応援 「がんばろう能登」購入続々 復興市始まる

 氷見市の観光施設「ひみ番屋街」で13日、能登半島地震で甚大な被害が出た輪島塗を格安で販売する能登復興応援イベント「輪島番屋市」が始まった。「がんばろう能登!」「がんばろう石川!」の張り紙が飾られる中、多くの来場者が少しでも復興の力になろうと、伝統の輪島塗を購入した。会場には輪島や能登を応援しようとする温かい支援の輪が広がった。

 珠洲で昨年5月に震度6強を観測した地震以降、珠洲などで文化財調査に携わる高岡市早川の大野博和さん(70)は「輪島と聞くと思いがある。頑張ってもらいたいので、輪島塗を購入した」と思いを語った。

 会場では、被災した輪島塗の5社が取り扱う輪島塗の箸やスプーン、フォーク、カップ、椀(わん)などの食器や丸盆、花器などが半額で販売された。オリジナルマドラーが先着50人に贈られた。「魚のまち氷見」に合わせ、魚を描いた蒔絵(まきえ)や天彫り沈金なども展示、販売された。

 輪島番屋市は輪島商工会議所漆器部会長の大藤孝一さん(67)=大藤漆器店社長=が1月中旬、気分転換でひみ番屋街に足を運んだ際、飛び込みで管理事務所を訪ね「仲間がいる。助けてください」と支援を求めたのがきっかけで実現した。

 同じく被災したひみ番屋街がイベントの開催時期を探り、テナント料を無償にして13日からの3連休で企画した。運営会社の尾町和広取締役事業部長は「全国の人に輪島塗を買って応援してもらい、輪島塗の復興につながるとうれしい」と話した。

 被災後に金沢で輪島塗の復興を目指している大藤さんは「ひみ番屋街には感謝しかない。皆さんの思いに応えるため、輪島に戻って仕事をしたい」と語った。売り上げは輪島塗職人の道具の購入に充てる。

  ●志賀の桜貝アートも

 会場には被災した志賀町出身のアーティスト梓乃あずさん(32)が地元の桜貝を使って制作したアート作品の展示、販売も行われた。売り上げは奥能登の復興支援に役立てる。

 輪島番屋市は15日まで。