被災地、美の力感じ 現美輪島展が開幕 県漆芸美術館

AI要約

第80回現代美術展輪島展が開幕し、被災した作家たちの作品が展示されている。

会場では日本画、洋画、彫刻など6分野の作品が展示され、多くの来場者が作家のエネルギーを感じた。

展覧会は21日まで開催され、入場は無料で市民やボランティアなどに多くの人に観覧してもらえるようになっている。

被災地、美の力感じ 現美輪島展が開幕 県漆芸美術館

 第80回現代美術展輪島展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社、一般財団法人県芸術文化協会、輪島市など主催)は13日、同市の県輪島漆芸美術館で開幕した。奥能登では唯一の巡回展となり、能登半島地震で甚大な被害を受けた作家が、苦境を乗り越えて制作した作品を公開した。作品を鑑賞した来場者は作家のエネルギーを感じ、復興に向けて前に進む思いを新たにした。

 現代美術展は県内最高水準の総合美術展で、巡回展の輪島展は昨年、70年ぶりに復活した。会場の漆芸美術館は地震被害で臨時休館していたが、復旧工事を進め、輪島展で約半年ぶりに来場者を受け入れた。

 日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の計6分野で、重鎮から新進気鋭の作家までの意欲作35点が並んだ。前史雄(沈金)、小森邦衞(髹漆(きゅうしつ))、山岸一男(沈金)の人間国宝3氏の優品をはじめ、輪島在住の作家16人の作品が注目を集めた。

 会場を訪れた輪島市堀町の中村孝子さん(72)は水彩画が趣味で「作品を見ると、作家の皆さんが頑張って制作したことが伝わってきて力が湧いた。自分もまた描いてみたいと思った」と意欲を示した。

 金沢市示野中町の権野(ごんの)正人さん(70)は「環境が変化した中、これだけ素晴らしい作品を制作するのは大変だったと思う。これからも頑張ってほしい」と願った。

 現代美術展輪島展は21日までで、時間は午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)。市民やボランティア、復旧関係者ら多くの人に鑑賞してもらうため入場は無料。