シルバー人材センター設立へ 住民の要望受け、和歌山県上富田町

AI要約

和歌山県上富田町がシルバー人材センターを設立することを決定。設立準備委員会が来年4月のスタートを目指す。

町内にシルバー人材センターがない状況を改善し、住民の要望に応えるためにアンケートを実施。設立の必要性や参加意向を調査。

センターの運営は法人が行い、町は社会福祉協議会に委託する方針。同時に、廃止される事業も明らかになった。

 和歌山県上富田町は、臨時的、短期的な就業を希望する高齢者に仕事を提供するシルバー人材センターについて、住民からの要望やアンケートも踏まえ、設立することにした。今後、設立準備委員会で場所や計画などを検討し、来年4月のスタートを目指す。

 町長寿課によると、県内でシルバー人材センターがないのは上富田と太地、北山の3町村。人口1万人以上の規模の町でないのは上富田町だけ。毎年、住民から設立の要望があり、草刈りの相談があれば、近隣のシルバー人材センターを紹介する状況だという。

 運営について他市町村の状況を見るなど検討し、さらに住民の要望の把握や設立可否についての客観的資料が必要と考え、アンケートを行った。4月から5月にかけて、無作為に60歳以上千人(回答率49・2%)、60歳未満500人(33・4%)、50の事業所(64%)を対象にした。

 その結果、シルバー人材センターの設立が「必要」「どちらかといえば必要」と答えた割合は60歳以上で88%、60歳未満では89・2%に達した。参加については「できればしたい」58人(11・8%)、「説明を聞いてから」135人(27・5%)、参加しない164人(33・3%)だった。

 町は設立の意向について、5日の町議会厚生建設常任委員会で説明。20日の一般質問で、あらためて中井照恵議員(公明)が、経緯などについて聞いた。

 宮本真理長寿課長は、センター設立後の運営は法人が行うことになり、町が社会福祉協議会に委託して、1人暮らし高齢者の草刈りなどの手助けをしている「たすけあいくちくまのステーション」事業は、シルバー人材センター設立に伴い廃止する方向だとした。たすけあい事業の年間委託料は200万円で、シルバー人材センターの事業費もその範囲でできるとの見通しを示した。

 中井議員は、高齢者の就活相談を受け付けるワンストップの窓口機能を持たせるなど、内容の充実を求めた。吉本和広議員(共産)は登録者の募集について聞き、町は説明会を開催し、町広報やホームページ、チラシなどで募集する予定だと答えた。