[山口県]空き家調査、高齢者活躍へ 県内初「木造住宅簡易鑑定士」山陽小野田市で講習会

AI要約

山口県内で初となる「木造住宅簡易鑑定士」の資格講習会が開催された。60歳以上のシルバー人材センター会員が参加し、空き家や古民家の調査方法を学んだ。

鑑定士は木造住宅の現状を20項目で調査し、再生可能か判定する。解体が必要な場合は指定業者によるサービスも利用できる。

講習会は全員が合格し、実地調査も経験した。今後、他地域でも同様の講習会が考えられている。

[山口県]空き家調査、高齢者活躍へ 県内初「木造住宅簡易鑑定士」山陽小野田市で講習会

 山口県内で初となる「木造住宅簡易鑑定士」の資格講習会が24日、山陽小野田市であった。60歳以上のシルバー人材センター会員限定で取得できる資格で、空き家や古民家などの現況調査を担う。同市の会員ら約30人が座学や現場実習に参加し、住宅のコンディションの評価方法を学んだ。

 同鑑定は木造住宅を20の調査項目に基づいて調査し、再生可能か解体を進めた方が良いかを判定して、一般社団法人住まい教育推進協会が鑑定書を発行する。解体する場合は指定業者で実施すれば査定金額での構造材の買い取りサービスを受けられる。

 講習会は山口県シルバー人材センター連合会の主催、全国古民家再生協会山口第1支部が協力し、山陽小野田市中央の複合施設「Aスクエア」で実施。同支部の奥野義和支部長が講師を務め、外壁や屋根の仕上げ材の種類、改修履歴や傾斜、雨漏りやアリ害などのチェック項目を一つ一つ解説した。

 参加者は講習後に早速試験を受け、全員が合格して資格を取得。市内の空き家に移動して現場実習があり、建物の外観や室内を念入りにチェックしながら調査票に書き込むなどし、実際の業務を体験していた。

 全国では各地域のシルバー人材センター連合会などが資格講習や試験を実施しており、県内ではこれまでなかったが、全国古民家再生協会の支部が昨年設立されたことなどを契機に初めて実施した。今後は各地での実施を検討している。

 奥野支部長は「県内に多数ある空き家の管理や活用を進めるとともに、高齢者の雇用や活躍の場を創出していきたい」と述べた。