クリエイターの移住が増えている「デザインが芽吹き、躍動するまち」の暮らし[FRaU]

AI要約

御代田町でクリエイティブな活動を展開する前村達也さんの取り組みについて紹介。

前村さんが手がける〈CORNER SHOP MIYOTA〉がクリエイティブな活動の拠点として機能している様子。

移住者や地元の人々が交流し、地域づくりに参加する機会が提供されている。

クリエイターの移住が増えている「デザインが芽吹き、躍動するまち」の暮らし[FRaU]

心地良く暮らすためには、自分のまちを自ら住みやすく変えていくのも一つの手。周囲を巻き込みながら率先してまちへ働きかけ、新たな地域づくりをはじめている4人を訪ねました。今回訪ねたのは、浅間山の南麓に位置する長野県御代田町。のどかな空気漂うこのまちには今、クリエイティブな職能を持つ移住者が増えています。彼らを緩やかに束ね、新たな活動を育む前村達也さんのもとへ。

しなの鉄道御代田駅からは目と鼻の先。カフェやゲストハウス、ギャラリーなどの機能を備えた場として2023年4月にオープンしたのが〈CORNER SHOP MIYOTA〉だ。

まちの憩いの場や県外から訪れた人の滞在先としてはもちろん、地域ゆかりのクリエイターによるワークショップの場となることも。近年増えつつある移住者と地元の人々、そして来街者がゆるやかに繋がる交流拠点になっている。

「長らく時計宝飾店だった物件を1年くらいかけて自分でリノベーションして、オープンに漕ぎ着けました。移住間もない頃から少しずつ進めていた、デザインを軸に楽しいまちを作るプロジェクト『ミヨタデザイン部』の活動拠点として、何か地域に開かれた場所を持ちたいと思ったのがきっかけです」

そう話すのは、この場所を手がけるコンセプトディレクターの前村達也さん。〈21_21 DESIGN SIGHT〉でデザインを軸に展覧会をつくる仕事をしていた彼が、都内から御代田への移住を決めたのは2018年のことだった。

「もう少し暮らしと仕事とが地続きになる環境に身を置きたいと考え、かねて地方への移住を検討していました。縁あって出会ったのが御代田にある3600㎡の土地。東京から新幹線で片道2時間程度とアクセスもよく、浅間山を望む美しい風景にも惹かれ、この広い土地を生かして仲間といちから暮らしを作っていくのも面白いんじゃないかなと」

同時期に移住を検討していた仲間と共に5家族で土地を共同購入。東京と行き来しながら家の建設を始めるのとほぼ時を同じくして、まちでの活動もスタートした。

「ともに移住を決めた友人や同時期に越してきた方たちの多くが、デザイナーや編集者、建築家などクリエイティブに携わる仕事をしていて。以前からデザインをまちづくりに生かすヨーロッパの取り組みに共感していたこともあり、こんなにも稀有な素養を持つ仲間がいるのなら、何か地域に還元する取り組みができないものかなと考えました。そしてそれは、僕たち自身が移住先で新しい活動を作るためにも必要なことでした」