「大腸内視鏡検査」を苦しまずに受けるためのクリニック選びのポイント【医師監修】
大腸内視鏡検査の辛さの要因として、内視鏡の挿入による痛みや腸内の病変を見逃さないための腸の膨らみが挙げられる。
特に手術経験のある方や、体格や飲酒歴などを考慮して鎮静剤を使用することで、検査をより快適に受けることができる。
鎮静剤を使用する際は、適切な量を決定し、使用後にはリカバリールームで安静にすることが必要。
「とても苦しかったからもう大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けたくない」と思ったことがある人も少なくないと思います。しかし実は、クリニックによって大腸内視鏡検査の辛さが違うのをご存知でしょうか?
大阪内視鏡クリニックの小森先生に、大腸内視鏡検査で後悔しないクリニックの選び方について聞きました。
編集部:
大腸の内視鏡検査は苦しいとよく聞きます。なぜですか?
小森先生:
要因の一つは、内視鏡の挿入そのものによる痛みです。腸の壁が押されたり引き伸ばされたりして神経が刺激され、痛みを感じます。特にS状結腸と横行結腸は固定されておらず、内視鏡を奥へ挿入する際に圧力が腸にかかり痛みが生じることがあります。
編集部:
特に痛みを感じやすい人はいますか?
小森先生:
憩室炎や虫垂炎などで手術経験がある方は腸が癒着している可能性があり、強い痛みを伴うことがあります。
編集部:
その他の内視鏡検査が苦しい理由はありますか?
小森先生:
検査中に腸内の病変を見逃さないよう、内視鏡から送気して腸を膨らませる必要があります。この送気によりお腹が張り、それが苦しいと感じることもあります。
編集部:
できるだけ楽に大腸内視鏡検査を受けるにはどうすれば良いでしょうか?
小森先生:
鎮静剤を使用できる医療機関を選ぶことが一つの方法です。鎮静剤を使うことで、眠っているような状態で検査が行え、筋肉に力が入らないため、安全かつ短時間で苦痛の少ない検査が可能です。
編集部:
どの病院でも鎮静剤を使えるのですか?
小森先生:
いいえ、鎮静剤を使うには、その方の年齢や体格、飲酒歴や服薬歴などを考慮して適切な種類と分量を決める必要があります。鎮静剤を熟知した医師がいる医療機関でなければ、使用は難しいでしょう。
編集部:
鎮静剤を使用する上で注意点はありますか?
小森先生:
鎮静剤使用後は1~2時間リカバリールームで安静にしていただく必要があります。十分なリカバリースペースが備わった医療機関を選ぶことが重要です。