睡眠にまつわる不調は「肩コリ」が9割|セラピストが教える「ワキ」をもんでコリを解消するセルフケア

AI要約

中高年の睡眠にまつわる悩みは肩コリが原因であることが多い。

肩コリを解消することで睡眠の問題も改善される。

肩コリを改善するためには、ワキを集中的にほぐす方法が効果的である。

睡眠にまつわる不調は「肩コリ」が9割|セラピストが教える「ワキ」をもんでコリを解消するセルフケア

文/鈴木拓也

「なかなか寝付けない」

「夜中に目が覚めてしまう」

「眠りが浅くて朝から不調」

といった、中高年から始まる睡眠にまつわる悩み。

「もう年だから」と、諦めてはいないだろうか。あるいは、アロマを焚いたり、半身浴をしたりなど、睡眠にいいとされることをやって、それでも効果は体感できないでいるのでは?

実は、快眠できないのは身体の「コリ」、特に肩コリが原因のことが多い―そう説くのは、駒田まなさんだ。

ボディケアサロンのオーナー兼セラピストである駒田さんは、これまで2万人以上の身体のコリを改善してきた、その道のプロ。

長年の経験から、「眠れない人の9割は肩にコリがある」と言う駒田さんだが、その理由を次のように話す。

「コリ固まって柔軟性を失った肩の筋肉は、肺や横隔膜も押さえ込んでしまって呼吸が浅くなり、いわば隠れ酸欠をもたらします。眠っている時にこれが起きると、睡眠に必要な酸素を取り込めなくなってしまうのです」

こうして肩コリ持ちの多くが、質の悪い睡眠に悩まされることになる。

逆に言えば、肩コリを解消すれば、睡眠の問題も改善に向かう。駒田さんは、著書『瞬眠!ワキもみ&ストレッチ』(Gakken)のなかで、その方法を教えている。

肩コリ対策と言えば、肩や肩甲骨のあたりをもみほぐすやり方が常道だろう。たいがいのマッサージ店やマッサージチェアは、この箇所にアプローチして肩コリ改善をねらう。

しかし、駒田さんの方法はまったく異なる。もむのは肩の下、つまり「ワキ」なのだ。

その理由については、本書のなかで次のように説明されている。

<「ワキは鎖骨や腕、肩甲骨を繋ぐ関節や筋肉の集合地点であり、拠点でもあるのです。離れた筋肉をそれぞれもんでほぐすより、必要な筋肉が集まっているワキを集中的にほぐすことで、手間なく時短で肩こりを解消することができるのです」(本書070pより)>

この「ワキもみ」にかかる時間は、寝る前の約10分。寝床で仰向けになって、10種類のセルフケアを順番に行っていく。

参考までに、最初の2つのセルフケアを以下紹介しよう。

●「バンザイ! ワキ伸ばし」

1. 枕は抜いてバンザイをする。

2. ひじにもう片方の手を乗せて敷布団に腕を押し付けるようにし、腕・ワキ・脇腹を伸ばす。30秒伸ばしたら、反対側についても同様に行う。この間、深呼吸をする。

●「上腕三頭筋ほぐし」

1. 片方の腕だけ頭の周りを囲むようにする。

2. ワキにある腕の付け根からひじまで、手のひらと指4本でしっかり握るようにもんでいく。30秒もんだら、反対側についても同様に。

この後、「大胸筋ほぐし(横)」、「前鋸筋ほぐし」などと続き、最後は1分間バンザイしながらの深呼吸でしめくくる。