【厚労省が新たなガイドライン発表】地域で進める高齢者のポリファーマシー対策

AI要約

2024年7月、厚生労働省が地域における高齢者のポリファーマシー対策のガイドラインを公表した。医療機関、介護従事者、行政が連携し、地域全体で多剤服用問題に取り組むことが重要とされている。

ポリファーマシーは高齢者が複数の医薬品を同時に服用することで健康リスクが生じる状態を指し、適切な対策が必要とされている。

ガイドラインでは地域ポリファーマシーコーディネーターの設置が効果的であると強調されており、適切な服薬管理を行うことが重要である。

【厚労省が新たなガイドライン発表】地域で進める高齢者のポリファーマシー対策

 2024年7月、厚生労働省は「地域における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」を公表した。これは、既存の病院向けマニュアルを地域に適用したもので、医療機関、介護従事者、行政が一体となり、地域全体で多剤服用問題に取り組むことを目指している。

 ポリファーマシーとは、高齢者が複数の医薬品を同時に服用することにより、薬の副作用や相互作用によって健康リスクが生じる状態をさす。この状況を放置すると、薬の効果が減少したり、体調が悪化する可能性があるため、適切な対策が必要とされている。

 ガイドラインは、地域ポリファーマシーコーディネーターの設置が効果的であると強調している。コーディネーターの対応内容としては「地域の医療機関と介護施設の連携を促進」「高齢者の服薬状況を適切に管理する場を設ける役割を担う」とされており、キーマンとして「薬剤調整支援者」を患者と相談して決めることが有効とされている。それにはかかりつけ医やかかりつけの薬剤師などがふさわしく、患者が相談しやすい環境が必要とも指摘されている。

 今後、このガイドラインを基に各地域でポリファーマシー対策が進められることが望まれている。医療と介護の現場が連携を深め、地域全体で高齢者の健康を守る体制が整備されることで、持続可能な介護・医療が実現するだろう。

構成・文/介護ポストセブン編集部