趣味もなく、友達もいない独居の80代男性の、歳を重ねても変わらない唯一の楽しみ
介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さんが家事を楽しむことの大切さについて語る
日常の家事を楽しむことで生きがいを見つける喜びを感じる
家事を通して日々の生活を豊かにする方法を提案する
介護の現場で出会った人から「幸せになる方法」を教わった、と語る介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さん。今度はあなたに、イラストと言葉でメッセージを届けます。
家事に楽しみを見つけられる人は幸いだと思います。
ある頃からどこへ行っても
「役割や趣味など、ご自身に生きがいを見つけましょう」と、
それこそが健康の絶対条件であるかのように、言われはじめました。
もちろんそれも大切なことですが、
料理や洗濯、掃除など、
日々の土台を繰り返し支えるものに、かがやきを見つけられたなら、
なにより自然な生きがいにつながるのではないでしょうか。
なぜならご高齢の女性が、独居でひとりになっても、
男性と比べると、あかるく元気に過ごされている傾向にあるのを目にするたびに、
どうも家事の役割が大きいように思われてならないのです。
家事は、面倒なこともしょっちゅうありますが、
気持ちを切り替えてやってみると、
はつらつと生きるための原動力になるのを、私も日々感じています。
土のついた野菜を洗うとき、
洗濯物をお天道様のもと、広げて干すとき、
さっぱりと生きるちからがめぐるのは、きっと私だけではないはずです。
それこそ家事に携わってこなかった男性でも、
「おにぎり」のお話のように、
自分自身が楽しめれば、それは立派な家事です。
新たに生きがい見つけようと焦らなくとも、
私たちの周りには、かがやきが満ちています。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》