【膝の曲げ伸ばしが辛いなら】立ち上がるときの膝の負担を和らげるお手軽イメージ術

AI要約

膝をケガしたわけでもないのに、椅子から立ち上がったり階段の昇り降りなどで膝が痛いという人は、必要以上に脚を力ませているせいかも!?

立ち上がる際に太ももの筋肉を余計に縮ませることで、膝に負担をかけている可能性がある。

立ち上がる際に頭の位置や太ももの動きに意識を向けることで、膝の負担を軽減できる。

【膝の曲げ伸ばしが辛いなら】立ち上がるときの膝の負担を和らげるお手軽イメージ術

膝をケガしたわけでもないのに、椅子から立ち上がったり階段の昇り降りなどで膝が痛いという人は、必要以上に脚を力ませているせいかも!? 習慣的に動作を行なうことによって、無意識に入ってしまう余計な力みが動作にどう影響するのかを探求するアレクサンダーテクニークの実践者が、違和感や痛みといった体にまつわる「負」と動作の根底にある思い込みについて、解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。33回目のテーマは「立ち上がるときに膝が痛い」です。

■膝に負担がかかる要因は踏ん張ろうという思い

長時間座った体勢から立ち上がったときや、階段を昇り降りの際に膝が痛いという悩みをよく耳にします。膝の関節にはクッションとなる軟骨があり、その軟骨がすり減ると痛みとなることが多いようです。 このような症状は年齢とともに起こるものではありますが、どのように立ち上がるかという習慣的な動作における思考が、痛みに輪をかけている可能性も考えられます。 立ち上がるという動作をするとき、踏み出して支える脚で踏ん張ろうと頑張ってはいませんか? その頑張ろうとする思いが余計な力みとなって、膝に必要以上の負担をかけているのかもしれません。

■太ももの筋肉を引き込むように縮めて動き難い状態にしている

立ち上がるためには、脚で踏ん張って支える必要があるのは事実です。でも踏ん張ろうと思うあまり、「フンッ」と溜めて脚に力を入れると、太ももの筋肉を必要以上に頑張らせることになります。 具体的には大腿四頭筋をはじめとした、太ももの前側にある大きな筋肉群を縮ませることによって、立ち上がる際のパワーを溜めようとしています。この筋肉の縮ませ方には種類があり、中でも瞬発力があって習慣的に使われやすい縮ませ方が、股関節の方に引き込むようにして縮めるものです。 しかしながらこの縮め方は、筋肉群が動かしている股関節と膝、さらには連動している足首の可動域を制限させることがあります。このように脚にある3カ所の関節の可動性を狭めた状態で立ち上がろうとするので、無理が生じ、膝の負担を増やすことになるのです。

■膝の負担を軽くする簡単な立ち上がり方

習慣的に余計な力が入るのを防ぐには、意識的に体を動かす必要があります。次の通りに実践してみましょう。

1.「頭は耳たぶよりも高いところにある」と思う

鏡で自分を見ることに慣れているせいか、私たちは顔にばかり意識がいって脳がある頭部はおいてきぼりにしがちです。そこで頭のことを意識しましょう。 頭は耳たぶの位置よりも高いところにあります。そのように意識するだけで、全身の緊張が和らぎ、固まった各関節の連動性が取り戻せます。

2.「太ももが前後に伸びる」とイメージしながら重心を移動

立ち上がる際には太ももが前後へ伸びるイメージをしてください。前では膝がつま先と同じ方向へ、後ろでは大腿骨の大転子の方へ、それぞれが引き合うように伸びるイメージです。これによって太ももの筋肉を必要以上には縮ませず、股関節・膝・足首が自由に動ける状態になります。

3. 重心が足首の上にきたら膝を伸ばす

重心がお尻の方に残っている中途半端な体勢では、太ももの筋肉をまた引き込みたくなってしまうものです。膝を伸ばして立ち上がるのは、重心が足首の上に移動してからです。

具体的なイメージを通して意識的に体を動かすだけで、何も考えずに習慣的に行なっていたときとは違う動作となります。膝の負担の要因である、太ももの余計な力みが軽減されるはずなので、試してみてくださいね。

ライター/ホタカミア

ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。