ペットボトルのフタの簡単な開け方、上手な転び方をご存知ですか?「日常の古武術」で生活がグンとラクになります

AI要約

古武術の知恵を活かした、体に負担をかけない立ち方・歩き方について紹介した。

座り方を正すために、背中や腰にかかる余分な負担を軽減する方法を紹介した。

しゃがみ方や物を取る方法など、日常生活で応用できる姿勢のコツについて解説した。

ペットボトルのフタの簡単な開け方、上手な転び方をご存知ですか?「日常の古武術」で生活がグンとラクになります

前編記事:吊り革は3本指で持つ、階段は太腿の後ろで上る……これが腕や腰の負担を激減させる「日常の古武術」ですでは、古武術の知恵を活かした、体に負担をかけない立ち方・歩き方について紹介してきた。続く後編記事では、ラクな座り方や、けがをしにくい転び方などについて引き続き紹介していく。

次に正しい座り方を見る――その前に、そもそも古武術とは何か、簡単に触れておこう。

「日本で発達した武術はもともと剣術や弓術、柔術など、武士として戦うのに必要な技術全般を指しました。江戸時代には自分の身を守る技術のほか、心を鍛錬する技術も加味されていきます。

そして明治以降の教育で、剣術が『剣道』、柔術が『柔道』などの競技へと変革するなか、古来の武術は古武術として、代々、武術家たちが弟子たちに伝える家芸となりました。合理的な身体の動かし方を型や技としたものが今も残っているんです」(歴史研究家の井手窪剛氏)

古武術の神髄は心身を連動させて、大きな力を引き出すこと。身体を強張らせないことで、生活に必要な動作が無理なく行えるのだ。

これを踏まえて、座り方を見ると、身体に余計な負担がかかる座り方をしている人は多い。

「椅子に座る姿勢を正そうと、背筋をピンと伸ばし、胸を反らせ、力を入れて……と頑張る方が多いのですが、それではリラックスには程遠く、姿勢を長時間維持することはできません。背中が反り過ぎて、腰背部の局所の筋が固まり、疲れやすくなるからです。

肩の力を抜き、お尻の坐骨2つをコンセントのプラグに見立てて、椅子に差し込むようにまっすぐ座ります。すると上半身全体が骨盤に乗り、腰に負担がかかりにくくなります」(林氏)

座る姿勢の応用として、草むしりなどをするときのしゃがみ方と、低い位置にある物をラクに取る方法も、上図をもとに実践すれば、腰を痛めることもない。

なお、しゃがんでから立ち上がるとき、身体を前に倒してしまうと、膝に負荷が集中する。お尻を軽く引いて、股関節を伸ばすように上体を持ち上げていくとよい。