「深酒→二日酔い」のくり返しから生還……発達障害の人が「節酒」を成功させたユニークな方法

AI要約

食事マナー違反に関する問題と余分に食べてしまう行動について野波ツナさんの経験から解説。

余分に食べてしまう人の理由と対策を紹介。

食事を楽しくストレスなく行うための提案を示す。

「深酒→二日酔い」のくり返しから生還……発達障害の人が「節酒」を成功させたユニークな方法

咀嚼音やこぼす以外にも、食事マナー違反にはいろいろあります。たとえば「一人で全部食べてしまう」というのもそう。この問題にも頭を痛めた経験がある野波ツナさん(漫画家)自らの経験から導き出した改善策を提案します。あわせて発達障害の人が陥りやすい「飲み過ぎ」に対してできる対策のヒントも。新刊『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』からお贈りします。

前編記事『あの人の咀嚼音を何とかしたい! 食事マナー違反がひどい発達障害・グレーゾーンの人に効果的な「2つの言い方」』はこちらから

『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』(野波ツナ/著、宮尾益知・滝口のぞみ/監修)は好評発売中!

マンガ家の野波ツナです。私の夫・アキラさんには発達障害がありますが、彼と食卓を囲むときにとても困ったことが1つありました。それは、全員でシェアする食べ物を、アキラさんが「一人分」を考えずに食べてしまうことです。

たとえば家族全員で「すき焼き」を食べているときに、自分一人で肉をあらかた食べてしまう……など、悪気なくたくさん食べてしまうことが間々あり、悩みの種になっていました。

いま仮にこの現象を「あればあるだけ食べてしまう問題」と名付けましょう。発達障害っぽい特性が強い「あの人」(ネコ)がいるある家庭でも、私の家と同じ「問題」が起こってしまいました……。

こんなふうに、「あの人」があればあるだけ食べてしまうのはナゼでしょうか。

自分勝手に見える行動ですが、「あの人」に悪気はないのです。では、なぜ〈独り占め〉するのかというと、

・全体の量を見て「自分が食べられる分」の目安をつけるのが苦手

・「食べる」「話す」の両方に意識を向けることができず、「食べる」ことだけに集中してしまった

・他の人の様子に目が向かない(他の人がまだ食べていないことに気づけない)

などの理由があるようです。

2つのことを同時に行う「ながら作業」が苦手な「あの人」は、会食で「会話を楽しみながら食べる」ことがうまくできません。好物だとなおさら食べ物だけに集中しすぎてしまい、「独り占め」状態に気づけなくなるようです。

このタイプの「あの人」には「取りすぎだ!」と怒るより、食べ始める前から〈独り占め〉状態を避ける策を立てておくことをおすすめします。たとえば、

・「一人分」がわかりやすいメニューや盛り付けにする

・数がハッキリわかるものを用意して、たとえば「一人5個まで」と明確にする

・鍋などは、一人分ずつ取り分けたり、予備の食材を残しておく

こんなふうにすれば、その場にいる全員がストレスなく食事を楽しめるはずです。