夏休み「ゲームの誘惑に負けない子ども」に育てる、意外な方法…東大卒《プロ家庭教師》のやる気スイッチ

AI要約

中学受験生の朝の勉強習慣について、ガンダムを見ることで効果的な改善策が示されている。

朝のスクリーンタイムが脳を刺激し、勉強の習慣を身につけやすくなる可能性がある。

良い習慣を身につけるためには、自由な発想や工夫が重要である。

夏休み「ゲームの誘惑に負けない子ども」に育てる、意外な方法…東大卒《プロ家庭教師》のやる気スイッチ

今年も首都圏をメインに過熱している中学受験戦線。進学塾も夏に向けたカリキュラムを打ち出し、受験勉強を家族で乗り切ろうとサポートする親にとっても、勝負の夏になりそうだ。

小学生が中学受験に挑むうえで避けては通れないのが、家庭での生活習慣の見直しだ。『中学受験 奇跡を引き出す合格法則』の著者であるプロ家庭教師の長谷川智也氏は、多くの受験家庭と向き合ってきた中で、日々の習慣の大切さは中学受験にとって最も大切な要素と話す。

依然厳しいと言われる受験状況の中、<中学受験で「逆転合格できる子ども」に育てる方法…「小1からの塾通いは、ほとんど意味がない」プロ家庭教師が言うワケ>に引き続き各家庭でできる対策を教えてもらった。

僕はどの子にも、なるべく朝の勉強習慣をつけるように話しています。

当時小学6年生だった教え子の一人、Cくんは、「朝が弱くて、どうしても起きられない」と言って、なかなか始めようとしませんでした。

Cくんは一人っ子で、ちょっとおませくん。本をよく読んでいる分、口が達者で、大人に甘えるのが上手なところがありました。

「どうして朝、起きられないの?」

「うーん。寝るのが遅いから、かなあ。昨日もつい本を読んだり、テレビの録画を見たり……」と、Cくん。

「録画? 何を見ているの?」

「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)!」

「おお、ガンダムか。あれは名作や……。でもCくん、小学6年生となった今、もうテレビとかは本当は我慢してほしいんだけど。ライバルたちは必死に勉強しているわけだし、習慣で負けてほしくないんやけどなあ」と、ボヤく僕。

「うーん。ガンダムだけは……」

「そうか。だったら、こうしよう。朝起きたら、ガンダムを1話だけ見てもいいってことにするのはどう? それで1話見たら、必ずその後、基礎トレと漢字だけはやる」

「わかった。それならできるかも!」

お母さんによると、その次の朝から、いきなりCくんは朝起きられるようになったそうです。目覚めたら、まずテレビをつけて、録画していたガンダムを1話観る。

するとシャキッと目が覚めて、脳も覚醒したその勢いで、朝勉強もいきなり始められたそうです。朝の勉強習慣は直前期まで続けられました。

Cくんに関しては他にもアドバイスしたことがいろいろあるのですが、これらが総合的にうまく作用して成績アップ。持ち偏差値より少し格上で「チャレンジ校」としていた市川の合格を取りました。

ここで僕がお伝えしたのは、皆さんがガンダムを見ればいいという話では、当然ありません(笑)。

起きるのが苦手だったり、朝の勉強習慣がどうしても身につかなかったりするならば、スクリーンタイムを朝にしてみる。「苦手なことは、楽しみとセットにする」という方法がある、ということです。

刺激で脳が目覚めて、朝勉の習慣もつきやすくなるでしょう(もちろん見すぎには注意!)。

睡眠の妨げとなる夜のスマホやパソコンなどを防げるのも大きなメリットです。自由に発想し工夫して、良い習慣を味方につけましょう。