「すい臓がん」の発生リスクが"非常に高い"人の共通点とは?注意すべき身体の症状も解説

AI要約

すい臓は消化酵素やホルモンを分泌し、食べ物の消化や血糖値の調節に関与する臓器です。

すい臓がんは初期段階では症状が乏しく、腹痛や背中の痛みなどが進行すると現れます。

糖尿病や喫煙、肥満、アルコール摂取、遺伝などがすい臓がんのリスク要因となります。

「すい臓がん」の発生リスクが

「すい臓」と聞いて、どのような臓器なのかすぐに思い浮かびますか。すい臓の機能や、自覚症状の少ないすい臓がんについて、四谷内科・内視鏡クリニック院長である高木謙太郎氏に聞きました。

すい臓は胃の後ろ側、脊椎(せきずい)の前に位置する、成人で長さ約15~20cm、重さ約60~100gの臓器です。食べ物の消化に関与する消化酵素を分泌したり、血糖値を調節するホルモンを分泌したりしています。

すい臓がんは、すい臓細胞から発生するがんです。「腺がん」という組織型がほとんどで、多くは膵管(すいかん)に起こります。初期の段階からすい臓の周りのリンパ節や肝臓に転移しやすく、腹膜播種(ふくまくはしゅ:腹腔内(ふくくうない)にがん細胞が広がること)が生じる場合があります。

すい臓がんは初期段階では症状に乏しく、進行すると腹痛・背中の痛みなどが認められるようになります。

年齢別では、すい臓がんの発症者は40歳頃から見られ、その後年齢が上がれば上がるほど増えます。男女で比べた場合には、若干男性に多く発症しています。

糖尿病の方は、すい臓がんになる危険性が大きいです。糖尿病の急激な悪化は、すい臓がんの可能性が疑われるため検査をおこなった方がよいです。

また、喫煙者は非喫煙者と比較してすい臓がんになりやすい傾向があります。すい臓がんには肥満も関係しており、特に20歳代でBMIが30以上の肥満の男性は、発生リスクが非常に高いとされています。

その他、アルコールを多量に摂取し急性膵炎を繰り返した人や、自己免疫性膵炎が原因で慢性膵炎を起こした人、血縁者にすい臓がんの人がいる方はすい臓がんになりやすいと言えます。

すい臓がんは、初期段階では自覚症状がないことが多いです。進行すると腹痛・食欲不振・腹部の膨満感・体重減少・下痢・黄疸(おうだん:皮膚や目が黄色くなること)・糖尿病の発症や急激な増悪・腰や背中の痛みなどの症状がでます。