東京ドームに16万人動員!イベントでリスナーの熱量を高めるオールナイトニッポンの〝ヒートアップ〟戦略

AI要約

『オールナイトニッポン』は2024年に57周年を迎え、最近では大規模な番組イベントを成功させている。ナインティナイン岡村隆史さんの番組がイベントのきっかけとなり、ラジオは1人で聴くメディアだがイベントで集まると大きな盛り上がりを見せる。イベント成功の背景には『radiko』の普及やリスナーとの繋がりを強化する取り組みがある。

冨山さんが手がける番組イベントはチケット争奪戦となり、佐久間宣行さんなど人気アーティストのパーソナリティーも成功を収めている。リスナーが満足する企画づくりやTシャツ、ステッカーなどのアイテム展開によりイベント当日の盛り上がりを図っている。

ラジオの活性化を図るためには『radiko』の日常的な利用を促進し、放送局同士の協力も重要だと冨山さんは語る。これからも『オールナイトニッポン』はリスナーとの繋がりを大切にし、さらなる発展を目指す。

東京ドームに16万人動員!イベントでリスナーの熱量を高めるオールナイトニッポンの〝ヒートアップ〟戦略

2024年、放送開始57年目を迎えた『オールナイトニッポン』。国民的深夜ラジオとして半世紀以上愛され、最近では大規模な番組イベントを次々と成功させている。

その舞台裏をについて仕掛け人に話を伺うとともに、ここ数年、同番組の人気を確かなものにしてきたという人気アーティストのパーソナリティーについても振り返る。

 番組イベントが毎年のように行なわれるようになったのは、ナインティナイン岡村隆史さんの番組がきっかけだと冨山さんは語る。

「2014年に『ナインティナインのオールナイトニッポン』が20周年のタイミングで矢部さんが卒業し、岡村さん1人になりました。

そのタイミングで、当時のディレクターと岡村さんが話をして『リスナーと直接会う機会を設けたい』となったそうです。そこで開催したのが、2015年のイベントです。

その時は約8000人のリスナーが、横浜アリーナに集まってくれました。とにかく盛り上がり方が尋常じゃなくて。僕が普段足を運ぶライブとは、熱量が異次元のものだったんです」

 ラジオは基本、1人で聴くことが多いメディア。普段は誰かと話題を共有しにくい番組への思いが、イベントというかたちで集まると、とんでもない熱量になる……。そのことが原体験となり、冨山さんはこれまでに数々の番組イベントを手がけてきたという。

 テレビ局の会社員ながら異例の番組起用となった佐久間宣行さんのイベントを筆頭に、ここ十年ほどで行なわれている企画は、どれもチケットが争奪戦になるほどの盛況ぶりだ。なぜ次々と成功させることができているのか?

「『radiko』の存在が大きいです。若い人たちがラジオ受信機を持っていない状況から、1人1台を所有するスマホの『radiko』アプリで、いつでもラジオ番組を聴ける状況が生まれました。

また、1週間以内だとさかのぼって番組を聴くことができるタイムフリー機能や、ポッドキャスト配信などでラジオ番組との接点が増えたことにより、リスナーの数が激増しています。そのため、以前よりもイベントに挑戦しやすくなりました」

 イベントに向けてTシャツやステッカーを作るなど、リスナーが喜ぶ企画も積極的に行なっており、開催当日への盛り上がりを過熱させる施策に余念はない。

「今後ラジオを活性化させるには、朝起きたら何気なくチェックするYouTubeやInstagramのように『radiko』をもっと日常的に利用してもらうことが必要。そのためには放送局同士で手を取り合い、盛り上げることも必要だと思います」