カンピロバクター食中毒を農水省が注意喚起 「『新鮮だから安全』とは限りません」

AI要約

細菌性食中毒のワースト1位は鶏肉に付着するカンピロバクターで、生や半生の鶏肉が原因。農水省が注意喚起し、ポイントを公開。

カンピロバクターは季節を問わず年中発生し、鶏肉の加熱が必要。手洗い、調理器具の清潔、鶏肉と他の食材の接触などに気を付けるべき。

外食時も注意が必要で、飲食店でのカンピロバクター食中毒が多い。新鮮な食材でも十分な加熱が必要。

カンピロバクター食中毒を農水省が注意喚起 「『新鮮だから安全』とは限りません」

 細菌性食中毒の全国年間発生件数で、近年ワースト1位が続いているのが、鶏肉などについている細菌「カンピロバクター」による食中毒。鶏の生レバーやもも肉のたたき、鶏刺しなど、生や半生、加熱不十分な鶏肉を食べることが原因で発症します。農林水産省の公式X(ツイッター)アカウント(@MAFF_JAPAN)では、鶏料理を楽しむために気をつけるべきポイントを紹介し、注意を呼びかけています。

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 鶏や牛といった家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保菌しているといわれるカンピロバクター。食中毒の原因として、耳にしたことがある人は多いでしょう。通常の加熱処理をすることで菌は死滅しますが、とくに生や半生、加熱不足の鶏肉料理で発生するケースが多いといいます。

 厚生労働省「食中毒統計資料」によると、過去3年間のカンピロバクター月別発生患者数は、8月が最多です。しかし、ほかの月も一定以上の患者が発生していることから、農水省は公式Xアカウントで「加熱不十分な鶏料理によるカンピロバクター食中毒は、季節を問わず、年中発生しています」と注意喚起。また、「鶏肉を調理するときは、お肉の中心部までしっかり加熱(中心の温度が75度以上で1分間以上)しましょう」と呼びかけました。

 さらに、投稿には、鶏肉を家庭で調理するときに気をつけたい5つのポイントをまとめたリーフレットを添付しています。

○ポイント1 ~しっかり手洗い!~

 手洗いは食中毒予防の第一歩です。食事の前や調理をするときなどは、しっかり手を洗いましょう。

○ポイント2 ~調理器具は清潔に!~

 まな板などの調理器具は清潔なものを使い、調理が済んだあとも、洗剤での洗浄に加え、熱湯や塩素系漂白剤で消毒をして、よく乾燥させましょう。

○ポイント3 ~生の鶏肉をほかの食材にくっつけない!~

 調理をするとき、生肉がほかの食材(とくに生で食べる野菜、果物等や調理済みの食品など)と接触することを防ぐために調理器具を分けるか、肉は最後に切りましょう。

○ポイント4 ~鶏肉を洗わないで!~

 もし鶏肉に食中毒の原因となる菌が付着していたら、水と一緒に食中毒菌が飛び散ってしまい、キッチンや周りの食材へ広がってしまいます。

○ポイント5 ~中心までしっかり加熱!~

 鶏肉を調理するときは、肉の中心部までしっかり加熱(中心の温度が75度以上で1分間以上)しましょう。中心が白くなるまでが目安です。

※農水省「鶏料理を楽しむために~カンピロバクターによる食中毒にご注意を!!~」より

 リーフレットの最後には、「『新鮮だから安全』とは限りません」と外食時の注意も。厚労省「令和5年食中毒発生状況」から農水省がまとめたデータによると、過去3年間の原因施設別カンピロバクター食中毒発生件数の割合では、約7割が飲食店で発生しています。

 カンピロバクターは生きた鶏などが保菌している場合もあるため、新鮮だからといって油断は大敵。「外食の際は、よく加熱されたメニューを選ぶようにしましょう」と促しています。