「テレビやめるんですか」寄せられる心配の声 「撤退ではない」シャープ幹部が明言

AI要約

シャープがテレビ事業から撤退しているという誤解を払拭するため、高橋秀行事業部長が国内テレビ事業の今後の方向性について語った。SDPの生産停止はデバイス事業全体のアセットライト化の一環であり、ブランド事業としてのテレビ事業は今後も重要な位置づけであることを強調した。

テレビ事業では独自の高付加価値商品を展開し、競争力を高めていく計画である。19V型から85V型までの標準的な液晶テレビに加え、ミニLEDテレビや有機ELテレビなどの高画質製品を提案し、2024年モデルでは14サイズ、37機種を展開する予定である。

有機ELテレビについては、長年の開発ノウハウを活かし、パネルの品質向上と映像技術の進化に注力する方針。シャープはテレビ事業を通じてブランド事業を拡大させ、競争力を強化していく意向を示している。

「テレビやめるんですか」寄せられる心配の声 「撤退ではない」シャープ幹部が明言

 「シャープはテレビをやめるんですか?」

 SDP(堺ディスプレイプロダクト)での大型液晶ディスプレー生産停止の報道をうけ、顧客からのこうした声が一時、シャープに多く寄せられた。中には液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」を急いで買い求めたユーザーもいたほどだ。TVシステム事業本部国内TV事業部の高橋秀行事業部長に、テレビ事業の今後の成長に向けた考え方などを聞いた。

 ―一時は大変な騒動だったんですね。

 高橋事業部長 5月14日に行った中期経営方針の説明会でSDPの生産停止を当社が発表して以降、一般の方から「テレビをやめるのか?」「アフターサービスはどうなるの?」といった問い合わせが2~3週間は続いた。中には、「販売店からアクオスがなくなったら困るので買いに来た」というお客さまもいらっしゃったようだ。

 「シャープがテレビから撤退」と思っている方がまだたくさんいるのではないかと考えており、このイメージを払拭することが今期の大きな課題だ。

 ―「ディスプレー生産停止」を「テレビ撤退」と誤解されたわけですね。

 高橋事業部長 一般の方からすれば、そう思われても仕方がなかったのかもしれない。

 中期経営方針では大きく2つのことをお伝えした。大型パネルの生産停止を含むデバイス事業のアセットライト化、そしてブランド事業を大きな柱としていくことだ。テレビ事業は当然、主要なブランド事業の1つ。これからもブランド事業をけん引するものとして拡大させていく。

 ―国内テレビ事業の方向性・戦略をお聞かせください。

 高橋事業部長 これまでも取り組んできた、独自の高付加価値商品で事業拡大につなげていくことをさらに強化し、競争力を高めていきたい。

 サイズ別には現在、19V型から85V型まで、標準的な液晶テレビをはじめ(高画質な)ミニLEDテレビや有機ELテレビをそろえ、フルラインアップで提案している。2024年モデルは14サイズ、37機種をそろえている。

 有機ELテレビの印象はあまりないと思うが、長年の開発ノウハウを背景に、パネルの良さを引き出すドライブ技術や映像チューニング技術などの技術力もしっかり訴求したい。