パウエルFRB議長、9月利下げを示唆か

AI要約

FRB議長パウエルが短期金融政策の転換を示唆し、市場は9月の利下げを予測している。

米国株式市場や金価格は緩和サイクルに向けて強気で推移しているが、ビットコインは低迷を続けている。

ビットコインには規制面でのポジティブな展望もあり、大統領選や政権交代の影響が注目されている。

パウエルFRB議長、9月利下げを示唆か

歴史的な金融引き締めサイクルの開始から2年半以上が経過した今、FRBがまもなく政策緩和に踏み切ることをパウエルFRB議長が示唆するとの見方が強い。

カンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル議長の基調講演は、8月23日の午前10時(米東部標準時間)に予定されており、パウエル議長を含む歴代のFRB議長はしばしばこの場を利用して、FRBの重要な政策転換を予告してきた。

よくあることだが、市場はFRBを先取りしており、トレーダーは数週間前には、9月のFRB理事会で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる可能性を100%織り込んでいた。

21日に発表された7月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録では、参加者の「大多数」が9月の利下げが妥当と見ていたため、23日に利下げが示唆されたとしても、それほどの驚きにはならないだろう。

パウエル議長は9月の利下げを示唆するだけでなく、緩和政策に慎重な姿勢を示し、9月の会合で25bpの利下げにとどめ、今後の会合で連続した利下げを期待しないよう市場に助言するとの見方が大勢を占めている。

7月中旬から8月上旬にかけて大幅な失速があったものの、米国株式市場は来たるべき緩和サイクルに向け、ほぼ強気モードで推移している。

S&P 500は7月上旬につけた史上最高値からわずか1%、ナスダックもピークから4%強しか下げていない。金も同様に上昇を続けており、今週初めには2566ドルの史上最高値を記録した。

債券市場も好調で、米10年債利回りは21日、数年ぶりの低水準となる3.77%まで低下した。

しかし、ビットコイン(BTC)は低迷から抜け出せないでいる。一時5万ドルを割り込んだ8月初旬のパニックから見事に回復したとはいえ、現在のビットコイン価格は6万800ドルで、3月につけた史上最高値の約7万3500ドルをはるかに下回っている。

世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは、機関投資家からの関心の高まりや現物ETF(上場投資信託)への継続的な資金流入など、他のポジティブな要素も無視しているようだ。

さらに規制の面でも今週、ビットコインにとっては良いニュースが続いた。ABCニュースが、暗号資産に友好的なロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が23日に大統領選から離脱し、同じく暗号資産に友好的な共和党のドナルド・トランプ候補の支持に回る可能性があると報じたのである。

民主党側でも、カマラ・ハリス陣営の幹部が、ハリス政権はバイデン政権よりも暗号資産業界に対してはるかに友好的になるだろうと示唆した。

|翻訳・編集:山口晶子|画像:ジェローム・パウエルFRB議長(Senate Banking Committee)|原文:Fed Chair Jerome Powell Expected to Set Stage for September Rate Cut