桂文枝 21年逝去の母と妻へ3年半ぶりに封印ネタ解禁 「桂ざこばさんの分も頑張りたい」

AI要約

桂文枝がなんばグランド花月で傘寿を迎える独演会を開催し、最新作を含む3席を披露。

文枝は公演中に3年半ぶりに封印してきたネタを解禁し、感動を呼んだ。

81歳を目前に控えた文枝は、さらなる創作落語の目標に向けて意気込む姿を見せた。

 落語家の桂文枝が15日、大阪・なんばグランド花月で「傘寿を越えて 文枝自選集 華麗なる独演会」を開催した。

 81歳の誕生日前日、傘寿にちなんで黄色の衣装で舞台に上がった文枝は、「妻の旅行」やネタおろしとなった最新作「約束」など3席を披露。公演のラストには、登場人物の死が含まれるため、2021年1月に妻の真由美さんと母・治子さんを相次いで亡くしてから封印してきた「涙をこらえてカラオケを」を3年半ぶりに解禁した。

 公演前に取材に応じた文枝は「最後まで体力、声が持つか。死力を尽くして80歳最後に頑張りたい」と、真剣な表情。公演前日も夜中まで確認作業が続き、「ほとんど寝ていない」状態だという。「物忘れがかなり激しくなって、心配やなぁ」と、笑いながらも舞台へかける強い思いをのぞかせた。

 16日には文字通り傘寿を越えて、81歳となる文枝は先月12日に急死した桂ざこばさんの名前を挙げて、「ざこばさんとはいろんなことがあって、申し訳ない気持ちでいっぱいなんやけど、ざこばさんの分もきょうは頑張りたいと思います」と、力強く宣言。「明日からは、米寿(八十八)を目指して頑張ります。一歩ずつですね」と、生涯の目標に掲げる創作落語500作完成へ向け、歩み続けることを誓った。