【漫画家に聞く】もし“睡眠代行”というサービスがあったら? 「眠気吸引機」をめぐるSNS漫画が考えさせられる

AI要約

眠気吸引機という漫画作品が2024年にpixivで投稿されました。主人公は眠気代行者と共に幸せな暮らしを送りますが、日常に変化が訪れます。

作者のえをずみさんは、眠気がなくなればという願いからこの作品を創作しました。漫画を描くことが楽しいと語っています。

えをずみさんは、アイデアが浮かんでから漫画を描くまでの楽しさを大切にしており、現在も長編作品の制作に取り組んでいます。

【漫画家に聞く】もし“睡眠代行”というサービスがあったら? 「眠気吸引機」をめぐるSNS漫画が考えさせられる

 眠くなってきた、もしくは眠らなければならない。けれど、まだやること、やりたいことがたくさんある。もしも眠気を吸い取ってくれる機械があったならばーー。

 そんな夢が叶った世界を描いた漫画『眠気吸引機』が2024年6月にpixivで投稿された。吸い取った眠気を代わりに消化してくれる「睡眠代行」者も雇い、幸せな暮らしを送る主人公。しかし主人公の日常は変化していき……。

 本作の作者・えをずみさん(@ewozumi)も主人公と同じく、眠気がなくなればと思っていたという。本作を創作したきっかけ、漫画を描くことの楽しさなど、話を聞いた。

ーー創作のきっかけを教えてください。

えをずみ:空想したり、お話をつくったりすることが好きで、普段からなにかを考えながら過ごしています。漫画を描く前は自分の想像をなにかに出力することはありませんでしたが、1年程前から漫画を描くようになりました。

 眠たいけれど、やりたいこともあるーー。そんなことを悩んでいた当時の自分が「誰かが代わりになって睡眠をとってほしい」と思ったことから、お話が浮かびました。

ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?

えをずみ:物語の終盤、ホタルくんとシュンくんが2人で映画を見たりとか、夢の中で会うシーンです。また中盤でホタルくんがシュンくんの気を引こうと試行錯誤するシーンも印象に残っています。これらのシーンは本作を描くなかで、物語をどのようにまとめるか考えながら、ふと生まれたものなので印象に残っています。

ーー睡眠を吸引するアイデアをつかい、2人の関係やその変化を描こうと思った背景は?

えをずみ:最初に思いついたのは眠気を吸い取る機械といったアイデアだけでした。そこから吸引した眠気を別の人に押し付けることとなり、眠気を吸われた人と眠気を押し付けられた人との関係を描こうと思うと筆が進みました。

 自分の好みに従った結果、本作は2人の関係に焦点を当てた物語となりました。2人がネズミのキャラクターであることも自分の好みです。

ーーホタルさんとシュンさんの2人を描くなかで意識したことは?

えをずみ:とくにシュンくんは少し複雑な人物として描くことを意識しました。吸い取った眠気を代わりにもらう仕事に就いている背景から、そんなに自己肯定感は高くないだろう……。そんなことを考えながらシュンくんの内面を考えました。

ーー眠くても起きていたいと思った原体験は?

えをずみ:漫画を描きはじめてから眠る時間が惜しいと感じるようになりました。自分は漫画を描くのが遅く、制作が進まず……。そんな背景から誰かに眠気を吸って欲しいと思うようになりました。

ーー漫画を描きはじめたきっかけは?

えをずみ:以前から落書き程度に紙や板タブでイラストを描いていました。ただ、あるとき液晶に絵を描けるタブレット端末を買ってから描くことが楽しくなってーー。それから漫画を描くようになりました。

ーー漫画を描くことの魅力とは?

えをずみ:自分のアイデアを外に出せるってところです。「これがこうなったら面白いのでは?」とか「こういうものがあったらいいな」といった空想を、ちゃんと形にできることに漫画を描くことの魅力を感じます。

ーーどんな工程・タイミングで楽しさを感じる?

えをずみ:アイデアを思い付いた瞬間です。またアイデアを形にするために漫画を描きはじめると大変なことが多いですが、完成間際のタイミングで大変な上り坂が下り坂のように切り替わる感覚を味わえることがあり、その瞬間も楽しいと感じます。

ーー今後の目標を教えてください。

えをずみ:今は長編作品の制作を進めつつ、イベントで出展するための作品を並行してつくっています。これからも頑張って漫画を描いていきたいと思っているので、これからも作品を見ていただけたらうれしいです。