祇園祭の授与品に新風…「うちわ」にプラ使わず環境に配慮・絵札や御朱印でちまき代替

AI要約

祇園祭の宵山を迎え、各山鉾町ならではの授与品が並ぶ準備が進む。

新作の手ぬぐいや扇子などが販売される蟷螂山では、デザイナーや書家の手によるアイテムが人気を集めている。

エコな視点で取り組む綾傘鉾や厄よけちまきの問題、代替品の取り入れなど今年の祇園祭の裏話が明らかになる。

 祇園祭は14日、宵山を迎える。 前祭(さきまつり)の 山鉾(やまほこ)巡行(17日)に向け、京都市中心部では「コンチキチン」の祇園囃子が響き、各山鉾町ならではの授与品も並ぶ。

 カマキリのからくりで知られる 蟷螂(とうろう)山。新作の手ぬぐい(1000円)などを14日から中京区の会所で販売する。羽を広げるカマキリの姿が愛らしい扇子(2000円)や豆皿(1000円)もある。デザインした下京区のイラストレーター福岡麻利子さん(41)は「何百年先でも、昔から今に続いていると感じてもらえるような図案を考えた」と話す。

 保存会は法人化を記念し、ちまきのデザインも新たにした。「蟷螂山」の字は、日本を代表する書家・ 杭迫柏樹(くいせこはくじゅ)さん(90)が 揮毫(きごう)。ちまきを包むビニール類は使わず、環境にも配慮した。

 「エコ」な視点は、綾傘鉾でも取り入れられた。保存会は佛教大と協力し、竹と和紙を使ったうちわ5000本を作製。例年、プラスチック製だったが、学生と話し合って取り入れた。14~16日、授与品の購入者に無料で配る。

 授与品に欠かせない厄よけちまきは、原材料のササの枯渇や作り手の高齢化、後継者不足などで確保が厳しくなっており、急きょ対応したところもある。

 菊水鉾は昨年より1、2割減といい、今年初めて代わりとなる「ちまき絵札」を制作。ちまきと同じ1500円で鉾の搭乗券が付いており、横山隆介・代表理事(56)は「今年は試しに限定品として作った。御利益はちまきと同じようにあります」と語る。

  霰(あられ)天神山では、ちまきが必要数の6割ほどにとどまり、新たに御朱印(1枚200円)を用意した。日本画家・河野真治さん(59)が描いたちまきの墨絵と「山第六番」の巡行順が添えられており、古川晃理事(56)は「せっかく参拝に来てくださった方に喜んでもらえるよう工夫を凝らした」と笑顔を見せた。