暑さもなんの、ハウスミカンの新品種開発 色づきよくジューシー

AI要約

愛知県農業総合試験場とJA蒲郡市が新品種のハウスミカンを開発した。色づきがよく、甘みが強い特徴を持ち、2033年ごろから出荷予定。

現在の主力品種「宮川早生」よりも優れた特性を持つ新品種は高温下でも均一に着色し、糖度も高い。開発は県内でも珍しい。

新品種の苗木は27年に生産者に供給され、6年後に出荷が始まる見通し。期待を込めて開発を担当した江崎幾朗主任研究員。

暑さもなんの、ハウスミカンの新品種開発 色づきよくジューシー

 愛知県農業総合試験場とJA蒲郡市は、ハウス栽培用ミカンの新品種を開発した。従来の品種よりも色づきがよく、甘みが強いのが特徴で、出荷は2033年ごろから始まる予定だ。

 ハウスミカンは、県内では蒲郡市や田原市などで栽培が盛んで、22年の県の出荷量は4010トンと全国2位(全国シェア24.3%)だった。JA蒲郡市によると、現在の主力品種「宮川早生(みやがわわせ)」は、気温が15~25度ほどでないときれいに色づかない。近年は夏場に熱帯夜が続き、食べごろの7月中旬になっても皮が緑色のままのことが多く、生産者を悩ませているという。

 県農業総合試験場などが開発した新品種は、宮川早生が突然変異して生まれたもので、高温下でも皮全体がまんべんなく着色するのが特徴。宮川早生より10日ほど着色が早くて均一に色づき、糖度も平均で1度ほど高いという。

 JA蒲郡市の担当者は「ジューシーで、甘みと酸味のバランスが良い」と話す。県によると、ハウスミカン用の品種開発は全国でも珍しいという。

 新品種の苗木は27年にJA蒲郡市管内の生産者に供給され、6年ほどで出荷が始まる見通しだ。

 開発を担当した県農業試験場の江崎幾朗主任研究員は「愛知のみかんのブランドイメージ向上につながれば」と期待している。(松島研人)