西岡力・麗澤大特任教授「真実追求する勢力の活動が強まり変化」 朝日慰安婦報道取り消し10年

AI要約

吉田清治氏の虚偽証言が取り消されてから10年が経過し、慰安婦問題に対する真実を追求する動きが強まっている。

慰安婦問題は貧困の結果、売春を行った女性が存在したが、吉田清治氏の証言や朝日新聞の報道が虚偽であることが明らかになってきた。

韓国の歴史学者や米国の研究者の活動により、慰安婦は強制連行や奴隷労働ではなく、貧困から売春に追い込まれた結果であることが明らかになってきた。

西岡力・麗澤大特任教授「真実追求する勢力の活動が強まり変化」 朝日慰安婦報道取り消し10年

朝日新聞が、戦時中に韓国で女性を慰安婦にするため強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽だと認め、関連記事を取り消して5日で10年となることを受け、慰安婦問題に取り組んできた麗澤大の西岡力特任教授が産経新聞のインタビューに応じ、慰安婦問題を巡り「真実を追求する勢力の活動が強まってきた」と述べた。詳細は次の通り。

戦時中、日本にも朝鮮半島にも貧困の結果、売春をせざるを得なかった女性がいた。今から見れば人権侵害だが、それが解決されるには経済成長が必要だった。そのような慰安婦は歴史に存在したが、解決すべき問題という意味での慰安婦問題はなかった。吉田清治氏一人が、噓をついてもさほど影響力はない。慰安婦問題が生じたのは、朝日新聞が1991年から92年にかけて大キャンペーンをはり、吉田証言や「挺身隊の名で強制連行」などの虚偽、捏造報道をして以降だ。

この10年の間に韓国で李栄薫(イ・ヨンフン)先生(元ソウル大教授、李承晩学堂校長)たちが歴史学者として実証研究をされ、米国ではラムザイヤー先生(ハーバード大教授)が契約の観点から分析された。真実は一つで手法は違っても、慰安婦は貧困の結果、売春業に就いたのであり強制連行や奴隷労働はなかったとの結論にたどりつく。

また韓国では元慰安婦の女性がともに活動してきた尹美香(ユン・ミヒャン)氏を告発し、正義連(旧韓国挺身隊問題対策協議会)の金銭スキャンダルが明るみに出た。正義連が慰安婦の人権を守るのではなく、北朝鮮と結びついて日韓関係を悪化させる政治目的をもっていたことも明らかになってきた。

元慰安婦と正義連が内紛を起こし、信用を失った背景には、慰安婦問題を巡り、真実を追求する勢力の活動が強まってきたことがあったと思う。10年前、朝日新聞も真実勢力による批判に対する防御の意味で、吉田証言は虚偽だと認めざるを得なかったのだろう。

真実を国際社会にどう広げていくかが課題だが、第2次安倍晋三政権以降、外務省もホームページで「強制連行」を示す資料はなく、「性奴隷」は事実に反すると広報するようになった。慰安婦問題は2015年の日韓合意で外交問題にできなくなった。一歩一歩進んでいると思う。(聞き手 原川貴郎)