【政治解説】世論調査“トップ”の小泉氏…党員調査では“3位”ナゼ? 支持離れ…背景に「選択的夫婦別姓」 か

AI要約

自民党総裁選での世論調査と党員調査の結果には違いがあり、その背景には自民党員の保守性や高齢男性比率の影響がある。特に選択的夫婦別姓の立場などが支持に影響を与えている可能性がある。

石破元幹事長、高市経済安保相、小泉元環境相が党員・支持者からの支持を集め、決選投票の展望が広がっている。

決選投票が避けられない状況であり、現時点では1人の候補が過半数を獲得する可能性は低いと見られている。

【政治解説】世論調査“トップ”の小泉氏…党員調査では“3位”ナゼ? 支持離れ…背景に「選択的夫婦別姓」  か

9人が立候補した自民党総裁選(9月27日投開票)。NNNと読売新聞が行った最新の世論調査で、「次の自民党の総裁にだれがふさわしいか」を聞いたところ、“自民党支持層”の回答で首位は小泉元環境相でした。

ところが、日本テレビが独自に行った“自民党の党員・党友”を対象にした調査で、「総裁選挙で誰に投票するか」を尋ねたところ、小泉氏は3位、1位は石破元幹事長という結果に。なぜこの違いは生まれたのか──。日本テレビ政治部の竹内真デスクと菅原薫解説委員が徹底解説します。

【竹内】

自民党の総裁選挙も始まる中で、今月の世論調査では「誰が総裁にふさわしいか」を尋ねたところ、回答者全体で1位は石破元幹事長で27%、2位は小泉元環境相で21%、3位は高市経済安保相で13%でした。これを自民党の支持層だけに限ってみると、1位は逆転して小泉氏(24%)、2位は石破氏(23%)となっていました。

【菅原】

日本テレビが独自に行った自民党員・党友を対象にした調査(※9月12日実施)では、1位は石破氏、2位は高市氏、3位は小泉氏でした。「党員」の支持と、「党員ではないけど自民党を支持する人たち」の支持が違うということなのでしょうか?

【竹内】

そうなんです。これはなぜなのかと思い、自民党でキャリアの長い関係者に聞いてみたんです。その人が言うには、「自民党員は一般に比べて男性比率が高い。しかも年齢層が高い人が多い。なので、男性、かつ高齢層の支持が高い、石破さんが高くなるのではないか」

【菅原】

自民党員の高齢男性というと、強固な保守層もいると思います。高市氏が小泉氏を党員調査で上回ったのも、そのあたりに理由があるのでしょうか。

【竹内】

多分そうだと思います。前述の自民党関係者も、「やはり自民党員は保守的な人が多い。そうなるとハッキリ保守的な主張をしている高市さんに支持が集まりやすい背景がある」と話していました。

党員調査の反応について取材していると、結構な数の国会議員が「選択的夫婦別姓」について、指摘していました。ある議員は「選択的夫婦別姓は保守層は反対が多い」「保守層の多い党員にとっては小泉氏が選択的夫婦別姓に賛成という印象が強く出たので、支持が離れた」と解説していました。

【菅原】

高市氏は選択的夫婦別姓に慎重な立場だから、党員の支持を集めたということなのかもしれませんね。こうなってくると、どの調査をとってみても、石破氏・高市氏・小泉氏の名前が出ている。この3氏を軸に、決選投票がどういう組み合わせになるかという流れですかね。

【竹内】

決選投票は避けられないんじゃないかという感じになってきましたね。党員調査や国会議員への取材を見ても、候補者が9人もいるから当たり前ですが、どうしたって(支持が)分散しています。「1人の候補が、1回目の投票から過半数をとる」ということはないだろうから、決選投票はまず間違いないとみられます。