高速バスの座席でフライドポテトを食べるのはOKなのか 車中の「におい問題」が意外に深刻

AI要約

高速バス内でのファストフード持ち込みによるにおい問題について、乗客の不快感が増加していることが報告されている。

特に油や焼きそばなどの強いにおいを持つ食べ物が座席近くで食べられると、周囲の乗客にとって苦痛な時間となることがある。

関西では外国人観光客が特にファストフードや肉まんを持ち込む傾向があり、乗客の間で問題となっている。

高速バスの座席でフライドポテトを食べるのはOKなのか 車中の「におい問題」が意外に深刻

 夏休みの旅行や帰省で高速バスを利用する人は多い。時間帯によっては車内でのんびり食事でも。ならばお手軽なファストフードを……。それ、ちょっと待ってください。車内ではそのにおい、他のお客さんにとっては想像以上に迷惑なようです。先日、SNSで盛り上がっていた高速バスへの飲食物の持ち込みについて。“におい問題”では必ずと言っていいほど話題になる有名なフードと言えば――。

「ファストフードのにおいが気になります」

 東京・新宿駅南口にある高速バスターミナル「バスタ新宿」で、仙台まで向かうという60代の女性がそう話した。

■油のにおいが充満して苦痛の時間

 以前に高速バスを利用した際、自分の近くの座席の人が食べていたフライドポテトのにおいが強く、つらい思いをしたという。

「バスの発車直後、斜め前に座る方が食べ始めました。できたてだったのか、車内にはフライドポテトと油のにおいが充満して、周囲の人が少しざわついていました。気にせずに寝ようとしても気になってしまうし、新宿を出た後はトンネルが多くて窓を開けることもできない。私自身もそうですが、ファストフードのにおいがあまり得意でない人にとっては苦痛の時間だったのではないでしょうか」

 筆者は高速バスに乗る機会がほとんどないためか、ファストフードを食べることでそこまでにおいが人の気分を害するという意識はなかった。

 バスターミナルでは、他にもこんな声があった。

 バスを待っていた女性(29)が以前、山梨県の甲府駅からバスに乗ったときの話だ。

「ちょうどお祭りが終わって、外国人のグループが屋台のたこ焼きや焼きそばを持って高速バスに乗ってきました。その後、2時間くらいバスで移動だったので、かなり気になりました(笑)」

 女性はバスタ新宿からは富士河口湖町に向かうところだった。外国人旅行客も多かったので、ちょっと心配していたようだった。

 それでもSNSを眺めると、高速バスに乗る前に「マクドとファミマで食料購入して」とか、「マクドで買って」といった書き込みもあった。

 これらの投稿に対しては、「あなたたちが思っている以上に油の匂いきついですからね」「締め切った空間で匂いが強いもの食べられたら普通にきついし、やめてほしい」などと、ファストフードの持ち込みを批判する書き込みが圧倒的に多かった。

■関西は『551』の肉まん持ち込む外国人が多い

 大阪、京都両府から全国各地へ向かう高速バスを運行している近鉄バス(本社・大阪府東大阪市)によると、関西圏ではファストフードのにおいが気になるという相談が年に数件程度寄せられているといい、その数は少しずつではあるが年々増えてきているという。そのほとんどは外国人観光客が、ルールを知らないで使っているケースが多いようだ。

 同社の担当者はこう話す。

「マクド(マクドナルド)などのファストフードに加え、関西は『551』の肉まんなどを持ち込む外国人の方が多い印象です。高速バスは換気されているとはいえ、席と席の距離が近いので、においが伝わりやすいです。食べている人たちよりもまわりの人たちの方が敏感に反応してると思います」

 「551」というのは、大阪名物で知られる「551蓬莱(ほうらい)の豚まん」。土産品としても定番で、今回と同様に、新幹線の中で食べていいの?よくないの?といったテーマでよく話題になる商品だ。

 ただ、近鉄バスのホームページなどを見ると、「においの強い食べ物は持ち込まないでください」という書き方にとどまる。バスタ新宿にも「飲酒禁止」という張り紙はあったが、食べ物の持ち込みを禁止するような張り紙はなかった。