“愛の不時着”ロケ地でも…世界中で起こる『オーバーツーリズム』外国人ら殺到の愛知県犬山市は「分散」狙う
世界中でオーバーツーリズムの問題が起こり、犬山市もその影響を受けている。
人気観光地である犬山城周辺は外国人観光客が急増し、地元住民の生活に影響を与えている。
観光客の増加によりゴミ問題や住民への迷惑行為が増加しており、対策が求められている。
観光客が殺到することでゴミや騒音などの問題が生じる「オーバーツーリズム」が、世界中で起こっている。人気ドラマ「愛の不時着」のロケ地となったスイスの村では、写真撮影のための観光客が殺到し、対策を余儀なくされた。
愛知県犬山市でも、犬山城などの人気スポットに観光客が集中していることに頭を悩ませていて、対策をすすめている。
現存する日本最古の木造天守の国宝「犬山城」を抱える、愛知県犬山市。2024年6月の週末に訪ねると、城に入ろうとする観光客で長蛇の列が出来ていた。
天守閣の最上階は、入りきれないほどだ。
外国人観光客向けのナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の利用状況によると、23年12月から24年1月にかけて、外国人観光客の滞在が全国で最も増えたのが『犬山市』で、 前年の4倍にもなっているという。
約100種類の串グルメが並ぶ城下町「本町通り」も、 “食べ歩き”で大人気となっている。
観光客の女性:
人の多さにビックリしました。
犬山市観光協会 後藤真司さん:
つい20年前は週末でもほとんど誰も歩いていなかった状況ですから、これだけ賑わうと本当にありがたいですね。
今では賑わう犬山城の城下町だが、20年ほど前までは、人影はまばらだった。
観光協会が中心となり、串グルメなど新たな名物を考案した結果、犬山城を訪れる観光客は約3倍に増え、年間58万人になった。
しかし、人が増えたことで、観光地に住む人たちの環境が悪化していた。本町通りでは、人が溢れるあまり、地域住民の車の出し入れや走行の妨げとなっている。
観光客による“ポイ捨て”なども頻発し、ゴミ問題も起きた。さらに、住宅敷地内に侵入されるといった声も上がっている。
地元住民:
人のお屋敷の中まで入り込まれたり、なんかされたり、ご迷惑されている方たちはいらっしゃるけどね。
犬山市観光協会の後藤真司(ごとうまさし)さんは、「対策をとらなくてはいけない時期にきた」と話す。
犬山市観光協会 後藤真司さん:
“オーバーツーリズム”というわけではないですけれども、ずっとお客さんは右肩あがりに伸びていますので、今後を見据えて対策とっていかなければいけないという時期だと思います。