「36協定」結ばず時間外労働 函館バスと社長らに罰金20万円

AI要約

北海道函館市の函館バスと同社の幹部が労働基準法違反の罪で略式起訴され、罰金20万円の略式命令を受けた。

函館バスは労使協定を結ばずに運転手に時間外労働をさせたとされ、支部側は救済策を求めて訴訟を起こしている。

さらに、人権侵害の申立ても行われており、労働環境に対する懸念が高まっている。

「36協定」結ばず時間外労働 函館バスと社長らに罰金20万円

 労働基準法違反の罪で略式起訴された北海道函館市の函館バスと同社の森健二社長(64)、専務(44)に対し、函館簡裁がそれぞれ罰金20万円の略式命令を出したことが関係者への取材でわかった。命令は18日付。

 略式起訴内容によると、函館バスの森社長と専務は2021年7~10月、時間外労働などに関する労使協定「36協定」を労働組合・私鉄総連函館バス支部と結ばずに、運転手ら計8人に時間外労働をさせたとされる。

 函館バスは「コメントは差し控えます」としている。

 支部側は民事訴訟や労働委員会への不当労働行為救済申し立てを相次いで起こし、会社側の敗訴や労働委による救済命令が続いている。さらに支部と組合員2人が19日、会社が労使協議を経ずに遠隔地への配置転換や懲戒解雇を一方的に決め、憲法が保障する人格権や生存権などを侵害したとして、函館弁護士会に人権救済を、函館地方法務局に人権侵犯の被害を申し立てた。(野田一郎)