「想像力、駆使して」 佐世保高1同級生殺害事件 10年を前に校長が講話

AI要約

長崎県佐世保市で2014年7月、女性が同級生の女子生徒を殺害した事件から10年が経つ前に、校長が校内放送で命の重さや自己管理の大切さを説いた。

事件の経緯や処分について述べられる中で、女性は第3種(医療)少年院に収容され、更生のための措置が続けられている。

元付添人弁護団は過去に女性の近況を報道機関に提供していたが、更生に影響を与える可能性を懸念し、情報提供を中止している。

「想像力、駆使して」 佐世保高1同級生殺害事件 10年を前に校長が講話

 長崎県佐世保市で2014年7月、当時高校1年だった女性(25)が同級生の女子生徒(当時15歳)を殺害した事件から26日で10年となるのを前に、2人が通学した高校の校長が23日、校内放送で講話した。

 校長は「人間を磨く」「自分の命を生かす」を柱に講話。自分を見つめることが大切だとし「過信することなく反省をやめてはいけない。一方で未来を築く存在であることを自覚し、人を傷つけることなく、想像力を駆使して自分をコントロールしてほしい」と語りかけた。毎年、講話では事件に触れないことが慣例となっている。生徒、教職員は各クラスや職員室で講話に耳を傾けながら命の重さと向き合い、その後に黙とうをささげた。

 事件は14年7月26日、女性が1人暮らしをしていたマンションで起きた。殺人容疑で逮捕された女性について、長崎家裁は15年7月に第3種(医療)少年院送致とする保護処分を決定。少年院での収容は23歳未満までだが、第3種は精神に著しい障害がある場合、26歳になるまで延長できると規定する。関係者によると、収容先の少年院長は女性が23歳になる前に収容継続を申請。長崎家裁、福岡高裁が共に継続を認める決定を出し、21年11月に確定した。

 女性の元付添人弁護団は毎年7月、女性の近況について報道機関に書面で回答をしていたが、「更生に支障をきたす恐れがある」として22年を最後に情報を出していない。【綿貫洋】