新潟市の液状化被害は深刻、復興まで「5年超10年以内」と市長回答…読売新聞が14市町の首長にアンケート

AI要約

新潟県内14市町の首長に実施されたアンケートで、新潟市が「5年超10年以内」の復興期間を選択し、他の13市町は「3年以内」という違いが浮き彫りになった。

新潟市の住宅被害が約1万5000棟に上り、県内全体の被害の約7割を占めている。液状化被害が多く、人的被害も半数以上を占めている。

新潟市の中原市長は、液状化対策の過程が長期にわたるとし、被災者の安全確保に全力を尽くす考えを示した。

 読売新聞は能登半島地震で被災した新潟県内14市町の首長にアンケートを実施した。「復興に要する期間」に関して新潟市は「5年超10年以内」と回答し、3年以内とした13市町との違いが目立った。住宅被害が約1万5000棟に上るなどした同市の被害の大きさが改めて浮き彫りとなった。

 アンケートは能登半島地震で災害救助法が適用された新潟、長岡、三条、柏崎、加茂、見附、燕、糸魚川、妙高、五泉、上越、佐渡、南魚沼の13市と出雲崎町の首長を対象とした。6月に書面で実施し、全員から回答を得た。

 「復興に要する期間」は五つの選択肢から選ぶ形で、新潟市以外は「1年超3年以内」の6人と「1年以内」の6人に分かれた。「該当なし」と記載した磯田達伸・長岡市長は、市内で大きな被害はなかったとし、「『復旧』であれば1年以内」と答えた。

 県内の住宅被害は2万1236棟に達するが、新潟市は1万5081棟と約7割を占める。同市は西区を中心に液状化被害で大きな被害を受けた。人的被害も県内の負傷者50人のうち、新潟市が23人と半分近くを占める。

 同市の中原八一市長は「5年超10年以内」を選んだ理由について、東日本大震災で液状化被害のあった千葉県浦安市で対策工事の完了までに8年を要したことを挙げた。

 中原市長は「将来に備えた液状化対策を進めているが、エリア・工法の選定や住民の合意形成など、非常に時間のかかる大事業と見込まれる」とし、「被災された方々の安心・安全への期待に応えるべく、全力で取り組んでいきたい」との考えを示した。