能登半島地震から半年 液状化で傾いた電柱や家 復旧手つかずの区域は 富山・氷見市/高岡市
能登半島地震から半年が経過し、氷見市北大町では建物の解体が進んでいる一方、西部の液状化地区では未解体の区域もあります。
氷見市では公費解体の申請が300軒を超えており、倒壊の恐れがある建物が解体されています。しかし、まだ解体されていない区域も多く、住民の離れが進んでいます。
高澤酒造など氷見市で被害を受けた建物の所有者が再建に向けて準備を進めており、地震から半年が経っても復興の道は長い状況です。
能登半島地震から7月1日で半年となりました。地震で損壊した住宅の公費解体など復旧が進められる一方、富山県西部の液状化した地区では、手つかずの区域もあります。
川縁記者:「地震から半年がたった(富山県)氷見市北大町では建物の解体作業がきょうも急ピッチで行なわれています」
能登半島地震の影響で建物への被害が相次いだ氷見市北大町。6月25日から、やぶなみ酒店など半壊以上の被害を受けた4棟で公費解体がはじまっています。
地震から半年、氷見市への公費解体の申請は、300軒を超えていますが、倒壊の恐れがあり緊急で解体されたものを合わせると着手できているのは、9軒に留まっています。
そして町からは多くの住民が離れています。
高澤酒造7代目・高澤龍一さん:
「この半年間はあっとい間だったと思います。ずっといた方が離れざるを得ないっていうのは寂しいですね」
この街で江戸時代末期から酒蔵を営む高澤酒造。
大正時代に建てられた仕込み蔵にクラックが入るなど全壊の判定を受けました。
7代目の高澤龍一さんは、氷見唯一の酒蔵を守るため、1日から、蔵の再建に向けて自費解体の準備に入りました。町に再び住民たちが戻って来ることが願いです。
高澤酒造7代目・高澤龍一さん:
「残っている人たちが頑張って、またここで暮らしたいなと思ってくれるようなところにしておかなければいけないかなと思います」
■傾いた電柱、傾いた家が手つかずのまま残る
今回の地震で広い範囲で液状化被害が発生した高岡市の伏木地区。
液状化により、ガタガタになっていた道路も半年が経ち補装工事が進められています。
ただ、傾いた電柱や、傾いた家が手つかずのまま残っているところもあります。
この町で独りで暮らしている80代の女性は。
80代女性:「どこへも行くところがないから住んでいるんです。傾いた家で住んでいます」
記者:「半年たってどうですか」
80代女性:「心が落ち着かないです」
同じく液状化で道路と住宅の間に最大70センチの段差ができた高岡市吉久。
串岡弘昭さん:「数日前にここにコンクリートがついて水が流れるようになりました」
地震から半年で、高岡市は傾いて流れにくくなった雨水幹線を整備し、さらに仮の水路も整備しました。
6月23日の大雨では、仮の水路は決壊しませんでしたが、不安は尽きないといいます。
串岡弘昭さん:「今回のでは、耐えられたけど、300ミリとかの大きな雨が降った時にこの仮用水とかだけでは、この辺水浸しになる可能性十分にあると思うんですよね」
雨のシーズン真っ只中で住民たちの心配は続きます。