コミュニティバス・カシバス 「緩め」の廃止基準を設定 存続への住民意識向上へ

AI要約

奈良県香芝市はコミュニティバス「カシバス」の見直しや廃止基準を定めた。利用者数の減少や財政負担の大きさを受け、基準は「緩め」に設定されている。住民のバス存続意識向上が狙い。

カシバスは、無償送迎バスとして運行していたが、利用者数が減少。公共デマンド交通など他のサービスの影響も大きい。運行経費は市にとって8千万円の負担。

市は停留所とルートの見直し基準を発表。基準は「1週間あたりの乗降者数が2人未満」や「1便あたりの乗降者数が2人未満」と設定されている。利用者の意識向上を図るため、各停留所に路線図の設置も進められている。

コミュニティバス・カシバス 「緩め」の廃止基準を設定 存続への住民意識向上へ

奈良県香芝市はコミュニティバス「カシバス」について、見直しや廃止の基準を定めた。民間バスが運行しないような採算性の高くないエリアを走るカシバスは、地域住民にとっては大事な〝足〟だ。だが近年は利用者数が減少傾向にあり、市の財政的な負担が大きくなっているのが実情だ。基準は「緩め」に定めているものの、住民らのバス存続への意識を向上させる狙いがある。

カシバスは、福祉センターと市内各地を結ぶ無償の送迎バスとして運行していた平成27年度は利用者数が12万人を超えたが、有償化した翌年度には8万人台に減少。令和元年度は約5万8千人、5年度は約4万4千人となっている。

減少の理由の一つは、市が平成27年度から運用している公共デマンド交通(乗合タクシー)だ。午前9時~午後4時半の間、大人1人につき200円で利用できる。自宅と共通乗降場所以外での乗り降りはできないが、カシバスより自由度は高い。

カシバスの料金は大人100円で、運用開始以降、据え置きだ。デマンド交通とカシバスを合算した運行経費は年間約8千万円で、市にとって負担は大きい。市はカシバスの停留所とルートの見直しや廃止の基準を発表。停留所は「1週間あたりの乗降者数が2人未満」、ルートは「1便あたりの乗降者数が2人未満」と、「緩め」に設定している。

市の担当者は「赤字覚悟とはいえ、公金で運行している。緩いながらも基準を示すことで、住民の意識が高まれば」と話す。さらに市は各停留所に路線図の設置を進め、利用者の利便性向上を図る。