中国輸出規制に懸念表明へ 供給網に深刻な影響 G7首脳が調整

AI要約

先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、中国による重要鉱物の輸出規制に対する懸念が高まっており、深刻な影響を警告している。

中国が半導体の材料に使用される重要鉱物の輸出を制限したことにより、供給網の混乱が生じており、G7は中国の報復行為に対して反発している。

さらに、G7首脳は中国の過剰生産問題についても協力し、特定国への依存から脱却する方針を示している。

 【ファサーノ時事】当地で開幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、中国による重要鉱物の輸出規制に対し、首脳声明で強い懸念を示す方向で調整していることが13日、分かった。

 中国が半導体の材料に用いられるガリウムなどの重要鉱物の輸出を制限していることに関し、世界的な供給網の混乱など深刻な影響をもたらすとして、こうした措置を取らないよう求める。

 複数の関係者が明らかにした。中国は昨年8月、米国などの半導体輸出規制に対抗する形で、ガリウムやゲルマニウムの輸出を制限。これら重要鉱物は中国が高い市場シェアを持っており、貿易を「武器化」する報復行為に対する批判がG7では強まっている。

 G7は昨年の広島サミットで、貿易相手国に圧力をかける中国を念頭に「経済的威圧を抑止し、それぞれの法制度に従って、適当な場合にはそれに対抗する」とした経済安全保障に関する声明を採択。重要鉱物をはじめとする戦略物資の供給網の強靱(きょうじん)化を進めることで一致した。イタリアが議長国を務める今年のG7の会議でも、中国の威圧的な行為が世界経済に打撃を与える恐れがあるとして、議論を進めてきた。

 G7首脳はまた、中国による電気自動車(EV)などの過剰生産問題を念頭に、価格だけで判断しない新たな調達の基準をつくるため協調していくことも確認する方針。半導体などの重要物資の調達で透明性や持続可能性といった観点も重視していくことで特定国への依存からの脱却を図る。