凍結ロシア資産でウクライナに融資、G7サミットで基本合意…ゼレンスキー大統領も出席し開幕

AI要約

先進7か国首脳会議(G7サミット)で、ロシアの資産を活用し、年内にウクライナに500億ドルの融資を行う方針が基本合意された。

新たな支援策は世界銀行などに基金を設置し、日米英、カナダが融資してウクライナに拠出。返済資金に凍結資産の運用益を活用する方向。

岸田首相は、中国企業に制裁を科す方針を表明する見通し。また、バイデン大統領とゼレンスキー大統領が安全保障協力に関する2国間協定に署名する予定。

 【バーリ(イタリア南部)=池田慶太、森藤千恵】先進7か国首脳会議(G7サミット)は13日午前(日本時間同日午後)、イタリア南部プーリア州のリゾート地ボルゴ・エニャツィアで開幕した。米政府高官によると、ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援に米欧などが凍結したロシアの資産を活用し、年内にウクライナに500億ドル(約7兆8000億円)の融資を行う方針で基本合意した。

 ロシアのウクライナ侵略が3年目に入り、米欧諸国は「支援疲れ」が色濃くなっており、持続可能な支援枠組みの整備が急務になっている。米政府高官によると、ウクライナへの融資は軍事、政府予算、人道支援、復興などに充てられる。

 13日午後のウクライナ侵略に関する議論には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が出席した。G7の新たな支援策は、〈1〉世界銀行などに基金を設置〈2〉基金に日米英、カナダが融資してウクライナに拠出〈3〉返済資金に凍結資産の運用益を活用――との枠組みになる方向だ。

 岸田首相は、ウクライナ侵略に関し、中国がロシアに軍事転用が可能な物資を輸出し続けている問題を取り上げ、新たに中国企業に制裁を科す方針を表明する見通しだ。ウクライナ侵略を巡り、日本政府が中国国内の企業を制裁対象とするのは初めて。日本で来年、地雷除去を支援するための国際会議を主催することも明らかにするとみられる。

 ゼレンスキー氏は13日、米国のバイデン大統領と会談し、長期の安全保障協力に関する2国間協定に署名する。

 G7サミットでは、イスラエル軍とイスラム主義組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザなどの中東情勢も議題となった。バイデン氏は5月末、新たな停戦案を公表しており、G7として改めて支持を表明するとみられる。