弁護士34人が計8700万円の詐欺被害、容疑の税理士を逮捕…東京地検特捜部「親近感を逆手に」

AI要約

東京地検特捜部は、税理士の男が34人の弁護士から共済金名目で約8700万円をだまし取った容疑で逮捕された。男は顧問契約を結んでいた法律事務所に所属する弁護士たちを信用させていたとされる。

男は2022年に弁護士たちを共済金の名目でだまし、計約8700万円を詐取した疑いが持たれている。被害者には、男が口座に振り込むよう要求するメールを送っていたという。

男は借金返済などにだまし取ったお金を充てていたとみられ、税理士としての信頼を損なう行為として日本税理士会連合会から遺憾の意が表明された。

 34人の弁護士から共済金名目で計約8700万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は5日、税理士の男(63)(東京都小平市)を詐欺容疑で逮捕した。被害に遭った弁護士はいずれも同じ法律事務所に所属し、事務所は男と税務顧問契約を結んでいたという。特捜部は、男が「税務顧問」の立場も使い、弁護士らを信用させていたとみている。

 発表などによると、男は2022年4~11月、弁護士34人に共済の掛け金に充てるとうそをつき、計約8700万円を詐取した疑い。各弁護士に「金は共済を運営する機構に支払う」などと記したメールを送り、自身の口座に振り込ませるなどしていたという。特捜部は男の認否を明らかにしていない。

 関係者によると、男は、弁護士からだまし取った金を自身の借金返済などに充てていたとみられるという。ある検察幹部は「法律事務所が顧問契約を結ぶ税理士は、弁護士とは身内のような関係だ。(男は)顧問の立場や親近感を逆手に取り、多くの弁護士をだましていたのだろう」と話す。

 日本税理士会連合会などによると、男は1992年3月に税理士登録し、東京都新宿区に事務所を設立して活動していた。逮捕を受け、同会は「税理士への信頼を著しく損なうもので極めて遺憾だ。全国の税理士に法令順守の徹底を指導していく」とのコメントを出した。