定年後は妻と2人、年に一度「北海道旅行」へ行きたいです。夫婦で年金が「月20万円」とパート代「15万円」ありますし、家計的に問題ないですよね? 退職金とあわせて貯金も「1000万円」あります

AI要約

定年後の生活において、退職金や年金、貯金を含めた収支を考えることが重要である。

老後の生活費や趣味旅行などの計画を立てる際には、未来の出費を見越した慎重な財務計画が必要である。

楽しい老後生活を送るためには、適切な資金管理と計画的な支出が肝要である。

定年後は妻と2人、年に一度「北海道旅行」へ行きたいです。夫婦で年金が「月20万円」とパート代「15万円」ありますし、家計的に問題ないですよね? 退職金とあわせて貯金も「1000万円」あります

「いままで仕事ばかりだったから、定年後は夫婦で旅行したい」と考える人は多いかもしれません。その一方で、老後の生活は大丈夫なのか、特に経済面での不安を感じることも少なくないでしょう。

本記事では、退職金を合わせた貯金が1000万円あり、年金やパートなど1ヶ月あたりの収入が35万円程度ある場合、旅行などの余暇を楽しむ余裕はあるのか解説します。

定年後も当然ですが生活するためにはお金がかかり、その支出を年金や給料などの収入や貯金で賄う必要があります。完全自給自足で全くお金を使わない生活をする場合は別ですが、多くの人にとって現実的ではないでしょう。

総務省統計局が公表している家計調査報告(家計収支編)によると、2023年の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は消費支出と非消費支出を合計すると28万2497円です。つまり特にぜいたくしない場合でも毎月30万円近くの支出が発生するケースが多いことが分かります。

北海道へ旅行する際に、自分で飛行機やホテル、レンタカーなどを予約するパターンもありますが、今回は大手旅行会社が企画して添乗員が同行し、バスなどで観光地へ連れて行ってくれるツアーに参加するとしましょう。

例えば、大手旅行会社JTBが企画する添乗員同行型の「関東発北海道 旅行・ツアー一覧」をみると、大人1名5万円程度のプランもあれば100万円以上するものまで幅広く展開されています。

仮に、1人6万円のプランに申し込むと夫婦2人で12万円かかります。旅行にはツアー代金だけでなく、空港までの交通費や現地での食事代、土産代などを別途準備しなければなりません。それらを加味すると実質的な支出規模はさらに大きくなると考えられます。

今回は、夫婦合わせて以下の内容で老後の生活費や北海道旅行の費用が発生すると仮定してシミュレーションしてみましょう。

・日常生活費:月額30万円

・北海道旅行:1回あたり20万円

収入は夫婦合わせて月額35万円の場合、家計収支は5万円の黒字となります。旅行費用を差し引いても年間40万円のプラスとなり、1000万円の貯金もあるため散財しない限り、直ちに生活が困窮する可能性は低いと思われます。

ただし、油断は禁物です。総務省統計局が公表しているデータ上の数字はあくまで通常の生活費であり、大きな病気やけがなど想定外の事態が発生して出費が増えると赤字に転落するおそれもあります。

「自分たちは黒字家計だから大丈夫、少しくらいぜいたくをしても問題ないよね」と考えるのではなく、不測の事態が発生すると想像よりもはるかにはやいスピードで資金が減少する可能性もゼロではないと危機感を持つくらいが良いかもしれません。

本記事では、定年後に「1年に1回」北海道旅行をしても家計的に問題ないのか解説しました。

もちろん「少しくらいぜいたくをすること」が悪いわけではありませんが、旅行は時期や宿泊場所のランクなどによって費用は大きく変わります。自分たちが思い描く旅行内容とそれにかかる費用を明確にして、通常の生活費とは別に旅行資金をコツコツ積み立てるのも良いかもしれません。

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー