定年を迎えた父が「退職金は全てFXにつぎ込む」と言って聞きません。リスクはないのでしょうか?

AI要約

老後資金を心配する声が多くあり、定年後の資産を増やすために投資に興味を持つ人がいる。しかし投資にはリスクも伴い、若い年代から投資を始める人が圧倒的に多い。

投資初心者の多くが失敗を経験し、損失を出してしまうケースが多い。リスクを減らす方法として冷静さを保つことや分散投資を行うことが重要。

成功している投資家もいるが、失敗経験も多い。リスクを理解し、冷静な投資をすることで資産増につなげることができる。

定年を迎えた父が「退職金は全てFXにつぎ込む」と言って聞きません。リスクはないのでしょうか?

「老後2000万円問題」に代表されるように、老後資金を心配する声は少なくありません。

そんな中、定年後の資産を少しでも増やそうと「投資」に興味を示す人がいるようです。退職金や貯蓄などを株式投資やFXに回せば、「もっとゆとりのある生活を送れる」と考えるのかもしれません。

一方「投資にはリスクがつきもの」「投資はやめておいた方がいい」という人もいます。

本記事では定年前後の年齢で投資を始める人がどれくらいいるのかを調べました。また投資に伴うリスクについて、失敗例や対策を交えつつ解説します。

マネックス証券株式会社が、証券口座を保有する6735名を対象に行った「資産運用に関する調査」によると、資産運用を始めた年齢の割合は表1の通りです。

※マネックス証券株式会社「資産運用に関する調査」を基に筆者作成

60代以降に資産運用を始めた人は、全体のわずか6%しかいませんでした。30代までの若い年代から資産運用を始めた人の割合が約6割を占めており、定年後に始める人は少数派です。

株式やFXなどの投資は、うまくいけば資産を大きく増やせる可能性があります。しかし投資がうまくいく確実な保証はなく、失敗するリスクも低くありません。

株式会社アドバンが行った「投資初心者の失敗体験についての調査」によると、投資デビュー時に失敗を経験した人は「68.3%」に上りました。

実に10人中約7人が失敗していることになり、投資がかんたんなものではないことが伺えます。

同調査によると、トレーダーの失敗体験の第1位は「大きな損失を出してしまった」でした。また第3位は「損失確定が遅れて塩漬けになった」でした。いずれも損失と結びつく失敗体験です。

ほかにも「根拠のない感覚的な取引をしていた」「ハイリスクな取引を行っていた」など、大きな損失に結びつきかねない失敗をした人も少なくありません。

リスクをゼロにすることは不可能ですが、対策しだいではリスクを減らすことができます。リスクを減らす方法として、以下のような点に留意しましょう。

・冷静でいること(一喜一憂せず利益確定や損切りタイミングを冷静に判断する)

・余裕資金を使うこと(失っても生活に大きく響かない資産を使う)

・分散投資(投資対象や投資のタイミングを分ける)

・中長期投資を行うこと(値下がりがあっても回復や値上がりを気長に待つ姿勢でいる)

投資にはリスクがつきものであり、失敗を経験している人も少なくありません。大きな損失を出している人も一定数おり「誰もが成功できる資産運用方法ではない」といえるでしょう。

しかし投資で成功している人がいることも事実です。定年後に退職金や貯蓄を資産運用しようと思っている場合は、リスクをしっかり把握し、余裕資産から冷静な投資をすると、資産増につなげられるかもしれません。

出典

マネックス証券株式会社 資産運用に関する調査

株式会社アドバン 投資初心者の失敗体験についての調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー