「NYダウ」「S&P500」が最高値を更新! いまからでも“米国株”の恩恵にあずかるための「2つのポイント」を専門家が伝授

AI要約

米国株が好調な中、日本の生活が苦しい実態や資産形成意識の低さが浮き彫りになっている。

日本人の資産形成意識の低さと投資の重要性、米国株投資の優位性に焦点を当てた指摘。

ウォーレン・バフェット氏の言葉を引用しつつ、米国人の投資意識と貯金習慣について比較を行い、日本人に投資の重要性を訴える。

「NYダウ」「S&P500」が最高値を更新! いまからでも“米国株”の恩恵にあずかるための「2つのポイント」を専門家が伝授

 米国株の上昇が続いている。代表的な株価指数であるS&P500は5月21日、史上最高値を更新した。同じく、ダウ平均株価は5月17日に一時、史上初めて4万ドルの大台に乗せたあと、こちらも史上最高値を更新した。なぜ米国株のパフォーマンスは日本株を凌駕し続けるのか。今からでもアメリカ株に投資すべきなのか。外国株投資のプロであるマネックス証券の岡元兵八郎氏に話を聞いた。

(前後編の前編/後編に続く)

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 厚生労働省のレポート「2022年 国民生活基礎調査の概況」の「生活意識アンケート」によれば、日本人の実に51.3%が「生活が苦しい」と感じているのだという。世帯別に分解すると、生活が苦しいと答えた割合は、「高齢者世帯」が48.3%、「児童のいる世帯」が54.7%となる。

「日本人の資産形成への意識の低さを表すデータとも言えると思います」

 そう指摘するのは、マネックス証券で外国株コンサルタントに携わる岡元兵八郎氏である。元Citigroup MD/米ソロモンブラザーズ証券という経歴を持ち、外国株に30年以上携わる、この道のプロフェッショナルだ。

「日本人は伝統的にリスクを嫌う傾向があり、新NISAによって非課税の投資枠が増えた今も、株式投資によって資産形成をするという文化が十分に浸透しているとは言えません。でも本当は、老後の生活資金の悩みも、教育資金の確保も、若い頃から貯蓄の一部を米国株に投資することで解決できるんです。新NISAを一過性のブームで終わらせるのではなく、“貯蓄から投資へ”のメリットの本質を説き続けるのが私のライフワークだと考えています」(岡元氏)

 日本銀行調査統計局の資料によると、「家計金融資産に占める現金・預金の比率」は、2023年の時点で54.2%だが、これは2001年の54.0%からほぼ変わっていない。

「米国人と比べても、その差は顕著です。米国人は現金・預金の比率は2001年のデータでも2023年でも54%超と、一定の資産を株式などの資産運用に回していることが分かります」(岡元氏)

 コロナ禍を経て、株価は日米ともに絶好調だが、当然その恩恵に与るためには金融資産に投資をしなくてはならない。同じく日銀調査統計局の資料から「日米家計における金融資産」の割合を割り出すと、日本では2001年の1410兆円から2023年の2043兆円と1.4倍に増えていることが分かる。対するアメリカは、2001年の4258兆円から2023年は17145兆円と、実に4倍の伸びに。日本人よりも米国人の方が資産運用によって多くの“リターン”を享受していることが分かる。

「“投資の神様”と呼ばれ、私も尊敬するウォーレン・バフェット氏はインタビューでこんなことを言っていました。インタビュアーの“お金に関する一番の間違いは何か”という質問に対し“一番大きな間違いは、正しい貯金の習慣を早いうちに学ばないこと。貯金というのは習慣である。誰もが早くお金持ちになろうとするが、それは難しい。一方でゆっくりとお金持ちになることはかなり簡単である”と。バフェットの言う貯金とは株式投資など、資産運用も含むわけですが、米国人は若い頃からそうした意識を持っている人が多い」(同)

 その上で、日本人こそ米国株投資の優位性に注目すべきだと説く。