日銀総裁、利上げに「時間的余裕」 物価上振れリスク低下、判断急がず 政策金利は維持・決定会合

AI要約

日銀は20日の金融政策決定会合で、政策金利を現状の「0.25%程度」に据え置くことを決定。

植田和男総裁は追加利上げを急がず、時間的余裕を持って慎重に見極める姿勢を示す。

日銀は物価の見通しを整合的な水準で推移すると説明し、国内景気は緩やかに回復しているとの見方を示す。

 日銀は20日の金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を現状の「0.25%程度」に据え置くことを全員一致で決めた。

 植田和男総裁は会合後の記者会見で「政策判断に当たって時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げを急がない考えを強調した。歴史的な円安水準の修正に伴い「物価上振れリスクは相応に減少している」とし、当面は先行き不透明な米国経済の動向などを慎重に見極めていく姿勢を示した。

 日銀は前回会合で、3月のマイナス金利政策解除に続き、今年2回目の利上げを決定。その後、米景気後退懸念が重なり、株価や円相場が乱高下した。金融市場の動向について、植田氏は「引き続き不安定な状況にある」と説明。その上で「当面は極めて高い緊張感を持って注視し、経済・物価の見通しに及ぼす影響をしっかりと見極める」との方針を示した。

 声明文では、物価の先行きについて「(2026年度までの)見通し期間後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移する」と説明。国内景気は「一部に弱めの動きも見られるが、緩やかに回復している」との見方を維持し、個人消費は前回の「底堅く推移」から「緩やかな増加基調」へ上方修正した。