バイクの「ヨンヒャク市場」が盛り上がっている!? これはたまたまなのか?

AI要約

日本のバイク市場は、アンダー400ccクラスが活況を呈しており、新たな魅力的なモデルが続々登場している。

多くの新モデルは、日本市場よりもヨーロッパや東南アジア市場を重視して開発されているものの、日本の免許制度に合致するようになっている。

世界各地の免許制度を比較すると、日本独自の普通2輪免許(中型免許)が存在しており、400ccを境に普通と大型を分類する特徴がある。

バイクの「ヨンヒャク市場」が盛り上がっている!? これはたまたまなのか?

 近年の日本におけるバイク市場をあらためて見ると、ロングセラーモデルのヤマハ「SR400」とホンダ「CB400SF」の生産が終了したことで、少し前までは、選択肢の減少を嘆く声が多かったような気がしますが、2024年の今、アンダー400ccクラスはかなりの活況を呈しています。

 ここ数年の日本市場のモデルラインナップを振り返ってみると、ホンダ「GB350/S」、カワサキ「Ninja ZX-4R/RR」、「エリミネーター」、ベネリ「インペリアーレ400」、ロイヤルエンフィールド「メテオ350」、「ハンター350」、ハーレーダビッドソン「X350」、トライアンフ「スピード400」、「スクランブラー400X」など、魅力的なニューモデルが矢継ぎ早に登場していますし、ロイヤルエンフィールドの「350クラシック」シリーズは2022年型、KTM「390デューク」とその兄弟車であるハスクバーナ「ヴィットピレン401」、「スヴァルトピレン401」は2024年型でフルモデルチェンジを敢行しました。

 ただし、それらのほとんどは日本市場を重視したモデルではありません。近年の300~500ccで各社が念頭に置いているのは、膨大な販売台数が見込めるヨーロッパと東南アジア市場で、日本独自の普通(=中型)2輪免許に合致するのはたまたま……と言えなくはないのです。

 念のために記しておくと、ヨーロッパのEU加盟国の2輪免許は、「AM」が16歳以上・50cc以下、「A1」が17歳以上・125cc以下・11kw以下、「A2」が19歳以上・排気量制限ナシ・35kw以下、「A」が24歳以上あるいはA2免許歴2年以上・排気量制限ナシ、という4種で、アメリカは150cc以下の「M2」と、排気量制限ナシの「M1」という2種(いずれも取得年齢は16歳以上)しかありません。

 そして東南アジアを含めたその他の地域でも、日本のように排気量400ccを境にして、普通と大型を分類する免許制度は存在しないようです。