全力投球をやめて、ほどほどに。「ほどほど力」は自分を守るスキルになる

AI要約

精神科医Tomyさんが提唱する「ほどほど力」について紹介。パソコンのように脳のキャパを守るために、全力投球ではなく「ほどほど」の重要性を説く。

完璧主義をやわらげ、優先順位をつけることでグレーゾーンを受け入れる能力を高める方法。こだわりを抑え、必要な部分に焦点を当てることで精神的な負担を軽減。

人間関係ややりたいこと、やらなければいけないことに優先順位をつけ、相手に過度な期待をせず、取捨選択を行うことで心身のエネルギーを守る方法。

全力投球をやめて、ほどほどに。「ほどほど力」は自分を守るスキルになる

しっかり、きっちり、完璧に。仕事ではある意味で大切な価値観であることに間違いはありませんが、プライベートな時間や人間関係ぐらいは「ほどほど」でいい…。

そんな、気持ちが軽くなる言葉をかけてくれるのは、著書やSNSが人気の精神科医 Tomyさん。

ただでさえしんどいこの暑さ、さらに夏休み気分を感じられる絶好のタイミングに「ほどほど力」を身につけてみませんか?

Tomyさんの著書『精神科医Tomyのほどほど力~全力投球は、もう卒業よ』(だいわ文庫)より、その方法を紹介します。

「ほどほど力」は、何のために必要なのでしょう。Tomyさんによれば、それは「自分を守るため」。

何事も完璧にしたくて、全力投球することで、気がつけば「いっぱいいっぱい」に。つまり「脳のキャパ」がなくなった状態になってしまいます。この状態を、Tomyさんはパソコンにたとえています。

パソコンにたくさんのタスクを行なわせると、本体が熱くなり、動きが悪くなります。場合によってはフリーズして再起動が必要になってしまいます。

(『精神科医Tomyのほどほど力~全力投球は、もう卒業よ』55ページ)

やりたいことややらなくてはいけないことがたくさんあるのに、メモリは一杯で動きは悪い。急かされる気持ちで、余裕がなくなり、本来のパフォーマンスを発揮できず、ストレスばかりが増えて、心や体に影響を及ぼすこともあり得ます。

そうならないために身につけたい「ほどほど力」ですが、すべてをほどほどにしてしまえ、というのではありません。「押さえるべきところは押さえる」。そのうえで「ほどほど」にする必要があるのです。

その「押さえるべきところ」の見極め、難しそうですね…。どうしたらいいのでしょうか。

すべてをほどほどにするのではなく、「押さえるべきところは押さえたうえで、ほどほどを発揮する」というテクニックを身につけるには、どうやら「優先順位」がキーワードとなりそうです。

1. 根っからの完璧主義をやわらげる

Tomyさんによれば、「いっぱいいっぱい」の状態から脱却したいなら、まず心がけたいのが「グレーゾーン」を許容すること。

「こだわり」が強く、完璧主義な人は、何でも白か黒かはっきりさせようとする傾向があります。白か黒かはっきりさせたいがために、どんな物事でも成功か失敗かで考えてしまいがちです。「まあまあうまくいった」「ほどほどだけど、なんとかなっている」、こうした考えた方が苦手なので、自分を追い詰めてしまうのです。

(『精神科医Tomyのほどほど力~全力投球は、もう卒業よ』37ページ)

自分の考え方や性格は簡単には変わらないので、すぐに「ほどほどでいいや」とはならないでしょう。

そのために、Tomyさんがすすめているのは「優先順位をつけること」。自分のなかでこだわりたいことを書き出し、「自分にとってどれがより重要か」を決めていきます。

優先順位を決め、自分にとって必要な部分に線引きすると、疑似的にグレーゾーンを受け入れられるようになってくるとか。ぜひやってみてください。何にこだわっているか、なぜこだわっているかが見えてくるというメリットもありそうです。

2. 人間関係の「ほどほど」を壊すものは?

人間関係もほどほどに…。それを実践している人は、ドライで寂しい人と思われてしまうかもしれません。しかし、日々のなかに「人間関係」は意外とつくられており、そのすべてに全力投球してしまうと「エネルギーが吸い取られてしまう」とTomyさん。

そこで、人間関係にも「優先順位」をつけること。

そしてもう1つとても重要なのが「相手に期待しないこと」。「友だちだから、このぐらいしてくれて当然だ」「上司なのだから、こうあってほしい」といった期待は、そうでなかったときに大きな不満に変わってしまいます。

相手の言動をチェックするのではなく、自分が相手に過度な期待を寄せていないかを常に意識してみるといいそうです。

3. 捨てたほうがいいものを見極める

「やりたいこと」「やらなければいけないこと」のすべてに全力投球していると、脳のキャパがなくなり、やがて心身に影響を及ぼすなんてことにもなりかねません。

この場合も「優先順位」をつけ、さらには「取捨選択」を実行すること。

「いらないものを捨てること」です。自分が納得する自分軸。それを見出すためには、自分にとって不必要なものを見つけなければいけません。

(『精神科医Tomyのほどほど力~全力投球は、もう卒業よ』188ページ)

やり方の例として紹介されているのは、自分にとって大切なものを2つ考えるという方法。たとえば「お金」と「健康」だとして、どちらがより大切かを熟考します。

「お金だけあっても健康じゃないと意味がない。お金がなくても健康ならば、なんとか稼げる。そうであるとしたら、優先順位は「健康>お金」となるわけです。

(『精神科医Tomyのほどほど力~全力投球は、もう卒業よ』189ページ)

これを繰り返すうちに、自分にとって何が重要で、何が重要でないかがわかるようになるそうです。

何に関しても「ほどほど」にしてしまえば、いい加減になってしまいそうですが、「全力投球」を卒業し、自分の優先順位に従って行動するという「自分軸のほどほど」を身につけて、生き方をもっとラクにしてみませんか?

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Source: だいわ文庫