「そんなにメダル、メダル言うんだったら、自分で泳いでみればいい」 超ド級の「問題発言」を発した女性アスリートの本心

AI要約

近年、日本人アスリートのコメント力の高さに注目が集まっている。彼らは堂々と自分の意見を述べ、配慮が行き届いたコメントを残している。

過去には競泳選手の千葉すずさんがメダルに執着する日本人に対しストレートに批判し物議を醸した例もある。

マスコミによるイメージの押しつけや期待外れの評価に対し、アスリートは自らの意見を述べている。

「そんなにメダル、メダル言うんだったら、自分で泳いでみればいい」 超ド級の「問題発言」を発した女性アスリートの本心

 パリ五輪に限ったことではなく、近年、日本人アスリートの「コメント力」の高さには目を見張るものがある。社会人経験がそう長くない、あるいはまったくないにもかかわらず、彼らは実に堂々と自分の気持ちを口にする。そのコメントは応援してくれる人、スポンサーその他関係者が決して嫌な気持ちにならぬように十分に配慮されている。

 本心では同じ質問を繰り返したり、妙に番組に寄せた言葉を誘導しようとしたりするメディアにイライラすることもあるのだろう。

 実際に、そんな本音を口にしたアスリートも過去、いなかったわけではない。

 有名なのは、競泳の女子日本代表だった千葉すずさんの言葉だ。1996年、「ニュースステーション」(テレビ朝日系)に出演した彼女は、アトランタ五輪に関するインタビューで、日本人がメダルに執着しすぎることをストレートに批判して物議を醸した。放送禁止的な表現が含まれていたこともさることながら、ある意味で真理を突いていただけに、世の反発は大きかった。まだSNSが存在していない時代だったので、マスコミが主戦場となって彼女への批判が盛り上がりまくった。今で言う「大炎上」である。

 戦後のさまざまな問題発言を振り返った一冊『問題発言』(今村守之著)は、この発言についてこう評している。

「千葉の気持ちもわからないではない。普段はさしたる関心ももたないくせに、こういうときだけ躍起になる。しかも期待に応えられなかったら、一気に叩く。また『スポーツ選手は爽やか(でなければならない)』などという勝手なイメージの押しつけも、千葉にとっては鬱陶しかったのではないか。この発言は、それを拭い去るには十分な役割を果たしたと思われるからだ。

 そういうイメージを強調し固定化したのは明らかにマスコミである」

 放送前の段階で、彼女の競技はすべて終わっていた。放送禁止用語の部分だけが有名になっているが、同番組で彼女は他にも刺激的な言葉を口にしている。個人は決勝進出がかなわず、団体での4位がベストという成績。メダルへの期待もあっただけに、期待外れという評価もあったようだ。

「実際やってみて下さい、皆さん」

「そんなにメダル、メダル言うんだったら、自分で泳いでみればいいんですよ」

 あまりに強い言葉だったため、彼女は強い批判にさらされることとなる。