修行を積んでから独立できる?雇われ士業のリアル (横須賀輝尚 経営コンサルタント)

AI要約

行政書士を目指す人が行政書士事務所で修行して独立することは理想的だが、実際には難しい現状がある。

行政書士事務所の求人は少なく、新卒採用はまれ。独立を目指すならハローワークなどで求人情報を探す必要がある。

行政書士事務所での給与や福利厚生は期待できないため、現実的なキャリアプランを見直す必要がある。

修行を積んでから独立できる?雇われ士業のリアル (横須賀輝尚 経営コンサルタント)

大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。

『Q.行政書士を取ったら、何年か事務所勤めで修行をして、実務を覚えたら開業したいです。

現在行政書士を目指して勉強中の者です。試験に合格したら、行政書士事務所に勤務し、実務を覚えたら早めに独立開業したいと考えています。行政書士の求人はどこで探せばよいでしょうか?』

結論からいえば、行政書士事務所の就職口を探すのはかなり難しいというのが現状です。

私も平成14年の大学在籍中、幸運にも行政書士試験に合格することができ、就職活動の際に行政書士事務所を探したのですが、各種の就職情報サイトに行政書士事務所の採用情報はありませんでした。実際のところ、新卒採用はもとより採用そのものを行っている事務所が極めて少ないのです。

そして、採用活動も縁故を中心に行う事務所が多く、行政書士事務所の求人に巡り会うことは極めて希です。もし仮にあるとしたら数多く発刊されている求人情報媒体などよりも、ハローワークなどの求人情報機関のほうが就職先に出会える可能性は高いといえます。

どちらにせよ、試験合格後、事務所に数年勤務して実務を覚え、独立開業するというキャリアアップは理想的ではあるのですが、現実的ではないといえるでしょう。さらに加えていえば、行政書士事務所の給与や福利厚生はあなたの想像よりもよいことが少ないのが現状です。

行政書士事務所の給料は、月給で20万円を切る事務所も比較的多く、「それなりの給料をもらいながら実務の勉強をして、独立に備える」というのは、広大な砂漠で一粒のダイヤモンドを見つけるような確率だと考えたほうが、現実的な行動ができるといってもよいくらいです。

もしあなたが理想とするような行政書士事務所に就職できたとしたら、それは本当に幸運だと思ってください。