米利下げ「近づく」、先行き不確実性から開始時期は不明＝ウォラーＦＲＢ理事
ウォラー理事は、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）による利下げが近づきつつあると表明。
インフレが緩和し、雇用市場の改善が進む中、経済成長が緩やかなペースで続いている。
最終目的地に到達していないが、利下げの時期が近づいているとの確信を述べた。
［ニューヨーク １７日 ロイター］ - 米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のウォラー理事は１７日、ＦＲＢによる利下げが「近づきつつある」と言明した。ただ、経済の先行き不確実性を踏まえ、開始時期は不明という認識を示した。
ウォラー理事は「足元のデータは『ソフトランディング』達成と見合った内容になっている」とし、「こうした見方を裏付けるために今後数カ月のデータに注目する」と述べた。
その上で「最終目的地に到達したとは思わないが、政策金利の引き下げが正当化される時期に近づいていると確信している」と言明した。
インフレが緩和する中、雇用市場のバランスが大幅に改善し、経済成長が「より緩やかなペース」で進んでいるという見解も示した。
ＦＲＢが今後数カ月に直面する可能性のあるシナリオは３つあるとも指摘。最も「楽観的な」シナリオは、「高い確率ではない」もののインフレ圧力が着実に低下し続けるというもので、そうなれば「そう遠くない将来に利下げが行われると予想できる」とした。
より可能性の高いシナリオでは、インフレの鈍化がより不均一となり、２％の目標に持続的に回帰しているかどうかが疑問視されることで、「近い将来の利下げはより不確実となる」と述べた。
最後に、インフレ再燃を最も可能性が低いものの、あり得るシナリオに上げた。
雇用市場の状況は、適度な雇用の増加という「好状況にある」とし、楽観的な認識を示し、ＦＲＢの二大責務の一つである最大雇用の達成については「ソフトランディングを達成できる可能性は十分にある」と述べた。
